この催しは、クロスズメバチなどの幼虫を貴重なたんぱく源としてきた伊那谷地域の文化を継承しようと「伊那市地蜂愛好会」が毎年開いています。

4日は伊那市内の会場に愛好会のメンバーが庭先などで育ててきたクロスズメバチなどの巣、合わせて30個が持ち込まれ、煙幕で蜂の動きを止めたあと巣を層ごとに切り分けていきました。

そして、きれいに切り分けられた巣はケースに入れられ、一つ一つ計量が行われました。

中には多くの蜂の子が入っている巣もあり、審査の結果、駒ヶ根市の吉村昇さん(77)が育てた巣が重さ4.21キロで優勝しました。

伊那谷には、目印をつけた蜂を追いかけて巣を見つけ出す「蜂追い」の文化が残っていて、出品された巣は夏に見つけた巣を庭先などで育ててきたものですが、ことしは猛暑の影響もあって例年よりも小ぶりだということです。

東京から訪れた50代の男性は「独特の文化を知りたいと見学に来ましたが、蜂の巣は迫力があり、いろいろな形があっておもしろいです。珍しい文化なので体験してみたいです」と話していました。

優勝した吉村昇さんは「巣を見つけたときは小さかったですが、イカやアジなどの餌をあげて毎日愛情を込めて育てました。会員が高齢化しているので、若い人にも取り組んでもらいたいです」と話していました。

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