清水寺や金閣寺、東寺など約1千の寺院が加盟する京都仏教会(理事長・有馬頼底(らいてい)臨済宗相国寺派管長)が19日、北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸計画を再考するよう西脇隆俊・京都府知事に申入書を提出した。地下水への影響や事業費の地元負担の大きさなどを問題視し、現行の計画は「千年の愚行」と指摘した。
与党の整備委員会は、福井県小浜市を通って京都府を南下する「小浜・京都ルート」で延伸するとしたうえで、京都市内の新駅の位置は3案を検討している。
京都仏教会は申入書で、京都府内の大部分はトンネルで貫くため地下水に悪影響が予想されると指摘。自然を敬いながら共存する仏教の教えからもかけ離れていると批判し、「断固たる決意の下に計画の再考を強く求める」とした。
西脇知事は「内容を真摯(しんし)に受け止め、真摯に対応して参りたい」と応じた。京都仏教会常務理事の宮城泰年・聖護院門主は申し入れ後、報道陣の取材に「仏教も非常に深く水の問題にかかわっていて、北陸新幹線の延長は進めるべきではない」と話した。
同会は1980年代に京都市が実施した「古都税」に反発して拝観停止に踏みきり、古都税を廃止に追い込んだ。90年代には京都市内のビル高層化に伴う景観問題でも京都市と対立した。
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