『北斎時代の「絵手本」で「絵皿」を解く 花・七福神の巻』

著者が収集した江戸後期を中心とする絵皿の絵解き本。

「人の『記憶力』や、物事への『理解力』は、推理をする事によって格段に高まります」。本編に入る前の「この本の見方」にある一文の通り、何が描かれているかを解説するだけの本ではない。例えば枝に咲く梅の花が描かれた絵皿「梅[花魁擅美(かかいせんび)]」。画題にある「花魁(かかい)」は寒い時期に咲く梅の異称だが、「おいらん」とも読む。では、おいらんと梅の関係は-。

ミステリー小説の主人公のごとく、絵皿の画題となった故事にまつわる史料などを示しながら展開される著者の一枚一枚の推理は隙がない。(淡交社・2640円)

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