(プロ野球 オリックス・バファローズ8―3東北楽天ゴールデンイーグルス)

 前日までの5試合でわずか7得点。貧打にあえぐオリックス打線に、6年目の23歳が火を付けた。

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 2軍で22打数10安打、打率4割5分5厘の成績を残し、17日に昇格したばかりの太田椋だ。3点を先行された直後の一回。紅林弘太郎の2点適時打で1点差に詰め寄り、なお2死一、三塁で右打席へ。フルカウントから直球を流し打った。右中間への逆転の2点三塁打。三回1死満塁でも右前適時打を放つなど、3安打3打点と大暴れした。

 「上(1軍)もなかなか点数を取れていないなと見ていた。何とか自分が(2軍で)状態を上げて上の試合で打てるようにと思ってやっていた」。強い覚悟で臨んだ太田に打線も呼応する。13安打で今季2番目の8得点を奪った。

 リーグ4連覇をめざすチームの台所事情は苦しい。昨季首位打者の頓宮裕真、2021年本塁打王の杉本裕太郎は不調で2軍調整中。移籍1年目の昨季から中軸を担う森友哉、広島からフリーエージェントで新加入した西川龍馬も打率2割5分を下回る。

 日替わりで打線をやりくりする中嶋聡監督は、「これだけの力があるのを見せてもらった」。久々に奮起した打線にほっとした表情を浮かべた。

 連敗を4で止め、昨季1度もなかった5連敗を阻止した。首位ソフトバンクとのゲーム差は10.5あるが、5月中旬で首位と最大11.5ゲーム差あった一昨年は最終的にリーグ2連覇にこぎ着けた。「明日、しっかりつなげたい」と指揮官。猛牛の目は、まだまだ死んでいない。(高橋健人)

 内(楽) 「先制点をもらったのにすぐに逆転をされてしまいました。実力不足も感じますし、チームに申し訳ないですね」

 紅林(オ) 一回1死満塁で右前への2点適時打。「とにかく必死に食らいついていきました。ランナーをかえすことができてよかったです」

 曽谷(オ) 「すぐに野手の方々に逆転していただいたのでしっかりと気持ちを切り替えて二回以降は粘り強く投げることができたと思います」

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