ドジャース・大谷翔平選手(29)の1週間を振り返ります。
■オラクル・パークで初ヒット
日本時間14日の試合前、キャッチボールで汗を流した大谷選手。前日には腰の張りもあり、今シーズン2試合目の欠場となりましたが、2番DHでスタメン復帰となりました。
敵地ジャイアンツのオラクル・パークでまだヒットが出ていない中、第1打席、強烈な打球はライト前へ、オラクル・パークで初ヒットを放ちます。
マウンドには今シーズン9度目の先発となる山本由伸投手(25)。2回に3点を失いますが、その後は粘りのピッチング、味方の援護を待ちます。 すると5回、大谷選手の第3打席、ランナー3塁の場面、セカンドゴロも腰の不安を感じさせない快足ぶりでタイムリー内野安打になります。1点を返すドジャース。その後、同点に追いついてもらった山本投手は6回、ジャイアンツに勝ち越しを許し、踏ん張り切れず、4失点で降板となりました。
試合は延長10回、1アウト1,2塁のチャンスでドジャース4番・スミス選手がセンターの頭を超える2点タイムリー。ジャイアンツを突き放したドジャースが勝利を収めています。
■名物「スプラッシュヒット」 日本人選手はゼロ
オラクル・パークでの初ヒットをマークした大谷選手ですが、やっぱり見たいのはホームラン。ということで、ここオラクル・パークの名物と言えば、ライトフェンスを越えた先の海に落ちる場外弾のスプラッシュヒット!カヤックに乗ったファンたちによる、ホームランボール争奪戦が繰り広げられます。
このスプラッシュヒットを最も多く打っているのが、メジャー歴代1位の通算762本塁打バリー・ボンズ氏、2位の10本を大きく引き離す35本をマークしています。大谷選手にもスーパースターの姿は強烈に残っているようで、「本当にメジャーリーグの打者というか、今よりも動き方だったりが日米ですごく差があった時期だと思うので、アメリカ人らしい打ち方というか、洗練されたパワーヒッターのイメージなのでかっこいいなと思って見ていました」と話しました。 このオラクル・パーク、形もかなり特徴があります。 古田敦也さん「サンフランシスコにあるんですけど、ライトスタンド奥はすぐ海です。なのでライトまでの距離は少し短くてスタンドも少ないです(本塁からレフトまでは約103メートル、ライトまでは約94メートル)。その分、約7.3メートルの高いフェンスにして、後ろに(幅が約7.3mの)歩道があります。とはいえ、風も(海からの)逆風なんで海まではなかなか行かないです。そんななかボンズはばんばん打ちました。実は、日本人では福留孝介選手が2010年に打っています。場外弾打って海に入るんですが、スプラッシュヒットにはカウントがあって、旗に当たってから海に入っているのでカウントされない。謎のルールがあるんで、スプラッシュヒットは日本人選手はゼロ」
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■今季3番目の飛距離約136m 打率も1位に■今季3番目の飛距離約136m 打率も1位に
そして日本時間15日、大谷選手の特大の一発が飛び出します。ベンチではボールが海に落ちた時のしぶきを表現するようなパフォーマンスを披露します。右中間に飛び込んだ一発は今シーズン自身3番目の飛距離となる136メートル、リーグトップに並ぶ12号も、日本人初のスプラッシュヒットとはならず、「打った瞬間いくかなと思ったんですけど、いかなかったので。ちょっと残念でしたけど、またチャンスがあれば頑張りたい」と話しました。5回の第3打席はセンター前へクリーンヒット。続く第4打席はレフト線を破るタイムリー2ベース、3安打2打点の活躍で打率は再びリーグトップに浮上しました。
■43試合目で20度目のマルチヒット
日本時間16日は球審の判定に悩まされる日になりました。
第2打席、際どい球ですが、判定はストライク、見逃し三振に倒れました。
第4打席、外角高めも判定はストライク、首をひねる大谷選手に対し、球審もヒートアップします。それでも9回の第5打席では163キロのカットボールをレフトへ流し打ち。微妙な判定にも動じず、この日も2安打を放ち、43試合目で20度目のマルチヒットとなりました。
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■心臓の病と闘う少年にサプライズ■心臓の病と闘う少年にサプライズ
日本時間17日は移籍後、初めて大谷選手のボブルヘッド人形が先着4万人に配布される日とあって大行列となり、ゲットしたファンもうれしそうです。大事そうに、ギューッと抱きしめている子どもの姿も見られました。試合前には大谷選手の大ファンだという少年にサプライズ!
大谷選手「初めまして」 少年
「Wow」 大谷選手
「緊張している?」
大谷選手は、心臓の病と闘う13歳のアルバート・リー君を試合に招待しました。
大谷選手「今夜は来てくれてありがとう。準備はいい?君が始球式を投げるんだよOK?」 少年
「(驚いた顔を見せて)はい…」
なんと始球式の大役をプレゼント!
いよいよ、アルバート君の始球式、キャッチャーを務めた大谷選手。ワンバウンドでキャッチ、スタジアムからは大きな歓声と拍手が送られました。実はこの始球式、大谷選手と妻・真美子さんが球団に提案したものなんです。
大谷選手「もともと球団からは『奥さんとどうですか』と言われたんですけど。本人(真美子さん)と話して、野球好きな子だったりとか野球をあまり観に来られない病院の子とか、そっちの方がいいんじゃないかなということで決めました。いい思い出に、ファーストピッチがなってくれればうれしいなと思います」 ドジャースタジアムには、今シーズン・メジャー最多の5万3527人が詰めかける中、1回、フォアボールで出塁すると、1塁ランナー大谷選手がスタート、今シーズン11個目の盗塁に成功します。 一方、大谷選手以上に足で魅せたのが、対戦相手レッズのデラクルーズ選手(22)です。1回、1つ目の盗塁に成功します。3回には三塁へ悠々と2つ目を決めます。5回には二盗を決め3つ目。さらに続けて三盗も成功させると、この日4盗塁!44試合で30盗塁はもちろんメジャートップ、驚異のシーズン110個ペースで37年ぶりの100盗塁超えを狙います。
■「大谷翔平の日」自ら祝う単独トップの13号
そして、地元ロサンゼルス市が5月17日を「大谷翔平の日」と制定した日本時間18日、自らの記念日を祝う13号2ラン、これでリーグトップに立ちます。同点で迎えた7回の第4打席、ファースト正面、ダブルプレーかと思いきや、前日、大活躍のショート・デラクルーズ選手が悪送球、ボールはカメラマン席に飛び込み、大谷選手は2塁へ進みます。さらに4番スミス選手が二遊間を破ります。この当たりに、大谷選手は3塁を周り、勝ち越しのホームイン。
ドジャースは連敗を2で止め、ナ・リーグ西地区30勝一番乗りです。
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■ホームラン25球場目 全制覇まであと7球場■ホームラン25球場目 全制覇まであと7球場
この1週間、大谷選手のホームランが2本出ました。これでリーグ単独トップの13本となっています。
そして、このホームランで新たな記録に近づいているということです。打率メジャートップ、ホームランでリーグトップの大谷選手。12号のホームランは、ジャイアンツの本拠地オラクル・パークでの初ホームランとなりました。これで大谷選手がホームランを打ったのは25球場目、全制覇まであと7球場となっています。あと7球場ですが、今シーズン試合が組まれているので25球場からどんどん記録を伸ばす可能性が十分にあります。
メジャーリーグは全部で30球団ですが、大谷選手がホームランを打った25球場にはレンジャーズが2019年まで使用していた旧本拠地とブルージェイズのキャンプ地にある球場も含まれます。そのため合わせて32となっています。
■古田敦也 現役時代に印象深かった球場
オラクル・パークでは2007年、当時マリナーズのイチローさんがオールスターで史上初の快挙を達成しました。
古田さん:オールスターでのイチローさん。ライトに飛んだクッションボールが逆の方向(右)にはねていきます。これはイチロー走れ走れですよ。なんとオールスターでランニングホームラン。これはめったにないです。通常の試合でも起きないんですけど、これでMVPをとるという。いびつなライトのフェンスがあったから起きたこととはいえ、珍しいシーンになりました。 古田さん:
(Q.好きだった球場や相性の良い球場はあった?)
いろんな意味で思い出に残る球場はあるんですけど。思い出という意味で言いますと、松本市野球場で僕ホームラン打ったことあるんです。これは1991年と古いんですが、なんとプロ野球初開催した試合だったので。地方で普段あまり行かないんですけど、たくさんの人が来ていただいて。それで球場の第1号だから、こけら落としみたいな感じで当時は飾ってくれました。第1号のホームラン、なかなかこういうことないので思い出深いです。
あとは、甲子園で打ったホームラン。僕、高校時代は甲子園に出たことがなかったので、プロに入って甲子園に行っただけでもうれしかったです。甲子園で打つホームランは本当に気持ちよかったです。こうやって(当時の映像を)見ると、僕なかなかパワーがありましたね(笑)。我ながら良い打ち方してて、結構大きなホームラン打ってるじゃないですか。
(5月19日放送「サンデーLIVE!!」より)
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