16チームが参加して、今月15日から来月3日にかけてカタールのドーハで行われるアジア最終予選は、4チームずつ4つのグループに分かれて1次リーグが行われます。

それぞれのグループの上位2チーム、あわせて8チームが決勝トーナメントに進み、決勝トーナメントで3位以内に入ればパリオリンピックの出場権を獲得します。

4位はアフリカ・ギニアとのプレーオフに回ります。

8大会連続のオリンピック出場を目指す日本は1次リーグで「グループB」に入り、日本時間の16日に中国と、20日にUAEと、22日に韓国と対戦します。

このうち10大会連続のオリンピック出場を目指す韓国は総合力が高く、先月招待された23歳以下の西アジアの大会でサウジアラビアなど中東勢を破って優勝しています。

また、3大会ぶりのオリンピック出場を目指すUAEは、年齢制限のない代表でことしのアジアカップを経験した選手がメンバー入りし、個々の身体能力が高いチームです。

日本代表の23人の選手たちはすでに現地入りして暑さの中、調整を続けています。

日本としては組織的な守備で前線から相手にプレッシャーをかけ続け、ボールを奪ってからの素早い攻撃で年齢制限のない代表に選ばれた細谷真大選手や、J1で6試合5得点と好調な荒木遼太郎選手などの攻撃陣が確実にゴールを決めきることがポイントになります。

1次リーグ 日本の対戦相手は

「グループB」の日本は、1次リーグで中国、UAE=アラブ首長国連邦、韓国と対戦します。

《初戦・中国》
中国は2008年の北京大会に開催国枠で出場して以来、4大会ぶりのオリンピック出場を目指します。

最終予選につながる予選でゴールを挙げた22歳の陶強龍選手は、各世代で代表に選ばれてきたチームの中心選手です。身体能力が高く得点力があり、ペナルティーエリア内での動きやボールコントロールにすぐれています。

《第2戦・UAE》
UAEは2012年のロンドン大会に出場して以来、3大会ぶりのオリンピック出場を目指します。

23歳以下の日本代表の大岩剛監督は、先月の強化試合で対戦したアフリカ勢のマリのように、フィジカルを前面に出す戦いを展開してくると予想していて、日本は組織力でどう対抗するかがカギを握ります。

《第3戦・韓国》
韓国は自国開催となった1988年のソウル大会から9大会連続でオリンピックに出場しています。これまでベストエイトに5回進出し、このうち2012年のロンドン大会では銅メダルを獲得しています。

大岩監督は、1次リーグで最も警戒する相手に韓国を挙げ、「局面で強い当たりをしてくる」と話しています。

メンバーにはドイツ2部リーグ、デュッセルドルフのキム・ミンウ選手や、イングランド2部リーグ、ストークのペ・ジュノ選手など海外組が3人含まれ、世界で経験を積む選手たちに警戒が必要です。

8大会連続の五輪出場なるか

サッカー男子の23歳以下の日本代表は、1996年のアトランタ大会から2021年の東京大会まで7大会連続でオリンピックの出場権を獲得してきました。

前々回、2016年のリオデジャネイロ大会のアジア最終予選では、1次リーグをグループ首位で通過し、準決勝では試合終了間際のゴールでイラクに勝利してオリンピック出場を決めました。

そして決勝では、現在、ドイツ1部リーグのボーフムでプレーする浅野拓磨選手の2ゴールなどで韓国に競り勝って優勝を果たしました。

一方、前回の東京大会は開催国枠での出場が決まっていたため、この世代の主力選手はアジア最終予選に参加せず、日本は初戦のサウジアラビア戦と2戦目のシリア戦に敗れて1次リーグで敗退しています。

今回、アジア最終予選に臨む「パリ世代」の日本代表は、新型コロナの感染拡大の影響で3年前、20歳以下のワールドカップが中止となるなどほかの世代に比べて国際大会の経験が少ないとされています。

山本昌邦ナショナルチームダイレクターも「積み上げてきた経験や成長、自信というものが少し不足していて、危機感しかない」と述べていて、最終予選を1戦1戦勝ち抜く中でどこまでチームとして成長できるかが、8大会連続でオリンピックの切符をつかむためのカギとなりそうです。

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