(23日、春季北海道高校野球大会1回戦 札幌大谷3―5旭川実)
二回表、先発した旭川実の2年生が崩れた。3点を失ってなおも無死満塁。当初四回から予定していた登板を早め、エース田中稜真(3年)がマウンドに向かった。
「いいバッターと対戦できることを楽しんでいこう」。いま持てる全力で挑む直球勝負。1人目の打者をファウルフライに抑えると、2人目に自己最速の151キロを計測した。その後も140キロ台半ばの直球を投げ、後半は緩い変化球も使ってしのいだ。
二回と三回の自らの打席では適時打と犠飛で、反撃の流れもつくった。終わってみれば8回を被安打1、無失点で逆転勝利を呼び込む力投だった。
旭川実のOBで3歳上の兄、田中楓基投手(ロッテ)を高校時代の球速で上回ったが、「与えられた環境が違うし、まだまだ兄には届かない。150出るなら空振りの取れる強いストレートをめざしたい」。この次の試合、そして見据える夏への課題とした。(古源盛一)
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