(24日、春季北海道高校野球大会準々決勝 国際情報1―5遠軽)
公式戦初登板で先発した背番号24の3年生右腕が遠軽に22年ぶりとなる春全道大会4強をもたらした。
四回、先頭打者に四球。犠打を挟んでさらに連続四球で無死満塁。捕手から「もっと笑え」とアピールされ、宮沢李佑(りゅう)投手は肩の力を抜いた。「バックも守ってくれるし、後ろにいい投手がいるから」。140キロ台の直球で後続を断った。
右上手の本格派。だが、昨年はひじの負傷で登板機会はなく、制球力にも課題があった。「公式戦で出すタイミングがなかった」と阿波克典監督はいう。
この冬、フォームを一から見つめ直し、直球に力強さが増した。チームはこの春の入部で部員数は過去最多の78人。競争を勝ち抜き、最後の年に間に合った。
先発はこの日の朝に告げられた。2イニングの予定だったが「大舞台で不安でしかない」。でも直球が走り、要所で三振が取れた。「きょうは彼の日。もっとみたい」(阿波監督)。七回に連打を浴びて失点するも代えられることはなかった。
練習試合での登板は最長で5イニング。それが初登板で初完投。149球の疲れは感じなかった。「次も登板の機会をつかみたい」。投手陣に厚みをもたらした。(古源盛一)
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