スポーツ用品大手アシックスは26日、聴覚障害選手の陸上競技を統括する日本デフ陸上競技協会とオフィシャルトップパートナー契約を結んだと発表した。同社は日本陸上競技連盟、日本パラ陸上競技連盟が選ぶ日本代表のユニホームを提供しており、今後はデフ陸上の日本代表選手も同じデザインのユニホームを着用する。
- 堂々と競える日が…ウクライナ、ロシアのライバルを思うデフ陸上選手
この日、アシックスの広田康人会長CEO(最高経営責任者)と日本陸上界3団体の会長、選手たちが神戸市に集まり、記者会見を行った。
アシックスによると、ユニホーム以外にも日本代表選手団の要望に応じてランニングシューズやバッグの提供などを行い、陸上競技を通した共生社会の実現に向けて活動していくという。
日本デフ陸協の佐藤将光会長は手話で「私自身もデフリンピックを知ったのは大学に入ってからだった。今回の契約をきっかけに少しでもデフリンピックについて知っていただき、障害に関係なく陸上界を盛り上げたい」とした。
来年は9月に東京・国立競技場で世界選手権、同11月には聴覚障害アスリートによる国際スポーツ大会「デフリンピック」が東京で開催される。
日本陸連の尾縣貢会長も「今日は私たちにとって記念すべき日。これは単なるユニホームの統一ではなく、同じ気持ちで同じ夢を追い、日本陸上界がひとつになることを意味している」。
デフ陸上の日本代表にとって、今年7月に台湾で開幕する世界選手権が新しいユニホームのお披露目となる。デフ陸上女子800メートルと1500メートルで日本記録を持つ岡田海緒は「デフ陸上は以前から周囲からの理解が得がたいものがあり、いろいろ壁にぶつかってきたという歴史がある。悔しかった先輩方の思いも引き継ぎ、このユニホームを着て世界で戦えるのは身が引き締まる」とした。
会見には日本陸連から男子走り高跳びの衛藤昂、女子400メートル障害の山本亜美、日本パラ陸連から男子200メートル(義足・機能障害T64)の田巻佑真、女子走り幅跳び(知的障害T20)の酒井園実、日本デフ陸協から岡田、男子100メートルの佐々木琢磨が出席した。(辻隆徳)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。