(26日、春季近畿地区高校野球大会1回戦 大阪学院大1―3兵庫・須磨翔風)
チームを初の大阪府予選優勝に導いた大阪学院大のエース前川琉人(りゅうと)投手(3年)にとって、我慢の試合となった。
0―0の五回裏、1死二、三塁。「先制点を与えたくない」。勝負を急いでしまった。自信があった外角低めの直球を中前にはじき返され、2点を先制された。
もともと自分の持ち味は、打たせて取るピッチング。そこからさらに、春の府予選で大阪桐蔭や履正社など強打のチームを相手に先発したことで、四球もやむなしのコースに投げきる「攻め」のピッチングも習得し、自信がついてきていた。
とりわけ勝負の場面は、外角低め、いわゆる「アウトロー」の直球に頼ることが増えた。
冬の練習では、直球を10球中8球アウトローに投げきらないと、変化球を練習できなかった。大苦戦し、合格をもらうのに2カ月かかった。
時間を要した分、アウトローに投げきれるようになったことはもちろん、直球に強さが出て、四球も減った。
この日は序盤から変化球でストライクが取れず、アウトローの直球に頼らざるをえなかった。そこを狙われた。
八回に交代するまで追加点を許さなかったが、試合後の表情は固かった。
「夏の大阪大会はもっとレベルが上がる。直球を頼りにせず、変化球にもっと自信を持って投げられるようにしたい」
夏で勝つための、課題が見つかった。(西晃奈)
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