(2日、プロ野球 東京ヤクルトスワローズ4―0東北楽天ゴールデンイーグルス=五回降雨コールドゲーム)
雨が激しく降り、マウンドがぬかるんでも、球界最年長の44歳、ヤクルト・石川雅規の制球は乱れなかった。
通算160勝の39歳、楽天・岸孝之との投げ合い。味方が一回に先制すると、ストライクゾーンの四隅に球を散らしていく。二回2死二、三塁のピンチは太田光を129キロの外角速球で投ゴロに。5回無失点で、史上初となる新人からの23年連続勝利。通算186勝目を9年ぶりの完封で決めた。
- 球界最年長ヤクルト・石川が初登板へ 23年連続勝利への思いは?
身長167センチ、体重73キロ。この日の最速は130キロに届くかどうか。それでも勝てる。なぜか。「野球はいかにアウトを取るか。160キロを投げられるもんなら投げたいが、そうじゃないところで勝負できる」。多彩な変化球と、鍛え上げた下半身が生みだす緩急の妙と奥ゆきが、芸術的な投球術を支えてきた。
プロ野球史上初めて50代で登板した大きな背中を追っている。同じ左腕で、自主トレをともにした山本昌さん(元中日)だ。「一歩でも近づきたい気持ちがある。たくさんの先輩方に教えをいただきながら、今がある」
プロ野球記録となる23年連続勝利で、その山本さんら3人と肩を並べた。新人からの連続記録としては史上初めての快挙だ。「すごい選手、先輩、後輩がいる中で何でも一番というのはすごくうれしいこと」
「何でも一番」のフレーズに、一番の力がこもった。この思いが小さな大投手の原点にある。(笠井正基)
「色々な強さを持っている」
高津監督(ヤ) 23年連続勝利の石川について「体も強いし、心も強い。体は小さいですけど、人が持っていない色々な強さを持っていると思う」。
中村(ヤ) 石川を無四球完封に導く。「(ストライク)ゾーン内でうまく緩急をつけて打ち取ることができたので結果、零点に抑えられた」
今江監督(楽) 石川に完封される。「最近のパ・リーグにいないタイプの投手。大ベテランの投球術に何となく打たされてしまった」
ヤクルト、連敗を5で止める
ヤクルトが降雨コールドで2分けを挟んだ連敗を5で止めた。一回に3点を先制し、石川が9年ぶりの完封勝ち。楽天は5連勝ならず。
▼石川(ヤ)が史上初の新人から23年連続勝利 2日の楽天戦(楽天)で5回無失点に抑え、新人だった2002年から23年連続での白星を記録した。これまで1年目からの連続勝利は1956~77年の米田哲也と並んでいた。1年目から、に限らない23年連続勝利は工藤公康、山本昌、三浦大輔に並ぶプロ野球記録。
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