ナショナルリーグのドジャースとアメリカンリーグのヤンキース、両リーグを代表する人気球団の3連戦はヤンキースの本拠地、ニューヨークで7日から始まり初戦は7勝目を目指す山本投手が先発しました。
1回は、2アウトを取ってから両リーグトップ、21本のホームランを打っている大リーグ屈指のスラッガー、ジャッジ選手と初めて対戦し、変化球をレフト線に引っ張られツーベースヒットを打たれました。
それでも続く4番・スタントン選手からは低めの変化球で空振り三振を奪いこの回を無失点で切り抜けました。
山本投手は回を重ねるごとに調子を上げ3回には、低めの変化球で2者連続三振を奪ったあと、ジャッジ選手との2回目の対決では低めのスライダーでショートゴロに打ちとりました。
6回は、2アウトからジャッジ選手にフォアボールを与えましたが続くスタントン選手からは150キロ台後半の力強い速球で再び三振を奪い得点を許しませんでした。
山本投手は今シーズンこの試合まで両リーグを通じてトップとなる321得点をあげていたヤンキースの強力打線に対し7回まで投げて無失点に抑えました。
打たれたヒットはわずか2本、与えたフォアボールは2つにとどめて三振は7つ奪い移籍後、最多となる106球の力投を見せましたが味方の援護に恵まれず、勝ち星はつきませんでした。
また、2番・指名打者で先発出場した大谷翔平選手は3回にセンターへのライナー性の強い打球を見せましたが、4打席目までノーヒットでした。
試合は両チーム無得点のままノーアウト二塁から始まるタイブレークの延長戦に入り、ドジャースは延長10回、2アウト一塁二塁のチャンスで大谷選手に5打席目が回りました。
しかし、ファーストゴロに打ち取られこの試合は5打数ノーヒットで打率が3割1分2厘に下がりました。
このあとドジャースは延長11回、前の回で最後のバッターだった大谷選手が二塁ランナーに入りました。
そして、1アウト一塁二塁となった場面で後続のバッターがタイムリーツーベースヒットを打って大谷選手がホームを踏むなどドジャースが2点を先制しました。
ドジャースはそのウラ、1点を返されましたがリードを守り延長11回2対1で競り勝ちました。
山本由伸 実力示す絶好の機会に
スター選手をそろえた大リーグ屈指の強力打線を擁するヤンキースをわずか2安打に抑えて7回無失点。
山本投手にとっては本来の実力を存分に示す絶好の機会になりました。
実は山本投手は今シーズン、前の試合まで12試合に先発して6勝2敗、防御率3.32という成績を残していたものの大量点を奪われる試合もあり、地元メディアなどからはピッチャーとして史上最高額という契約金に見合った実力なのかどうかを疑問視する声もあがっていました。
リーグ随一の強力打線を擁するヤンキースとの3連戦の初戦の先発を任されたのはそうした中でのことで、ロバーツ監督は試合前の取材で「これは彼にとっていいテストになる」と話し、山本投手の実力を測る試金石になるという考えを示していました。
試合後、山本投手は「打線がすごくいいのは試合前からわかっていて、落ち着いて投げることに集中していいパフォーマンスが出せた」と冷静なマウンドさばきを心がけたことが好投につながったことを明かしました。
また、組み立ての中心となったストレートの平均球速は156.1キロと試合前の平均よりも3キロ近く速く、ヤンキース打線を抑える上で有効だったということです。
大リーグに移籍して以降、最もいい感覚で投げられたということで「いいフォームで、しっかり全身で全力を出してストライクゾーンに体重の乗ったボールを投げられた」と手応えを口にしました。
そして「先週の試合のなかでも何球かこういう感覚かなというのは出ていて、それを練習で試しながらきょうの試合に出せた」とこれまでの経験と試行錯誤がストレートの質の向上につながったと説明しました。
大リーグに移籍して最多となる106球で7回を投げきったあと、ロバーツ監督から受けたハグについては「強いなと思った」と笑顔で振り返り「今回のようないいピッチングのいいところをしっかりキープして、いい調子で投げていきたい」と今後を見据えました。
ヤンキース ジャッジ「決して甘いコースに投げず」
ヤンキースの中心バッターのジャッジ選手は、試合後、山本投手について「彼はどんなカウントでも決して甘いコースには投げず、ストライクゾーンの端でボールを動かしていた。特に速球が印象的で、投げたいボールを投げたいコースに投げてバッターのバランスを崩していた」と印象を語りました。
また、ドジャースのロバーツ監督は「なんて試合だろう。ヤンキースを相手に彼はドジャースに来てからベストのピッチングをした。体を正しく使い、継続的にいいボールを投げていた。この試合での彼の奮闘は、ことばでは表すことができない」と称賛していました。
大谷 試合前にキャッチボール スタンドの男性に当たるハプニング
ピッチャーとしてのリハビリを続けている大谷選手はヤンキースとの試合前、3日ぶりのキャッチボールを行いました。
20メートルほどの距離から球団スタッフを相手におよそ70球を投げましたが、途中、ボールが大きく上にそれてスタンドで見ていた男性ファンに当たるハプニングがありました。
大谷選手はボールを投げた瞬間大きな声を出して注意を呼びかけ、男性のファンの左肩付近にボールが当たると心配そうに右手をあげて気遣っていました。
男性にけがはない様子でしたが、大谷選手はキャッチボールが終わったあと、ボールにサインを書いてこの男性に渡していました。
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