今年の7月26日に迫ったパリオリンピック開幕へ、日本人選手に“エールを送って盛り上げ”ていこうという「サンデーLIVE!!」スポーツの新コーナー、題して「パリエエ〜ルモリアゲ〜ル」選手たちにはパリオリンピックを盛り上げる「モリアゲ〜ルポイント」を教えてもらいます。第21回はサーフィンの五十嵐カノア選手〈26〉です。
■海とつながる特別な挑戦 五十嵐選手を取材
パリオリンピック・サーフィンの舞台は、フランス領ポリネシアのタヒチ島。この南国の楽園でサーフィンをしていたのが、五十嵐選手です。 五十嵐選手と言えば、東京オリンピックで銀メダルを獲得。今回は金メダルを期待されていますが、タヒチの波は日本の波と大違いだといいます。そのモリアゲ〜ルポイントを聞いてきました。 五十嵐選手「チューブ。チューブと呼ばれる波。波のカールの中に入るトンネルみたいな」 波が生むトンネル、その名も「チューブ」。砂浜が多い日本と違い、タヒチの海底はサンゴ礁が多いです。このサンゴ礁に波がぶつかると、盛り上がってチューブになります。まさに大自然が生む芸術です。
パリオリンピックではこのチューブを乗りこなさないと、高得点は期待できません。攻略のために五十嵐選手が取り組んできたのは…。
五十嵐選手「波がパワーがあるから体がブレないように。東京オリンピックから4〜5キロ体重が増えていて、それは本当に筋肉100%」 トレーニングには、サーファーならではの変わったものもありました。それは、バーベルの片側だけに重りを吊るしてスクワット。不安定な状態で鍛えることで、波の上でもバランスが取れるそうです。
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■カノア流「海を知り、波を知ること」■カノア流「海を知り、波を知ること」
そして、これぞ「カノア流」というモリアゲ〜ルポイントがもう一つあります。 五十嵐選手「海とのつながり。カノア良い波に乗ってるな、すごくいい作戦に乗ってるし、良い波に乗っていて、良い試合運びしているなというのを見てもらいたい感じ」
海とつながる。それは、海を知り、波を知ること。
サーフィンの試合はおよそ20分から30分。その間に乗った波のうち、得点の高かった2回の合計点で競います。どの波に乗るか決めるのは自分。限られた時間のなかで、いかに良い波を選ぶかが勝負のカギです。 そこで五十嵐選手はタヒチの海を知るため、東京オリンピック以後、定期的に現地入りしています。可能な限り海に向かい、ただ練習するだけでなく、地元のサンゴ保全活動にも参加しています。こうした生活を経て、海との繋がりを深めているといいます。 その成果は結果にも表れています。先月末、オリンピック前哨戦となる「SHISEIDO タヒチプロ 2024」がタヒチで開催されました。五十嵐選手の試合では、開始直後に大きなうねりが現れました。この波を全員が狙いますが、絶好の位置で読んでいたのが五十嵐選手です。掴んだ波は巨大なチューブに変化し、その出口が閉じた瞬間にしぶきを突き破って現れる派手なライディングで8.17という高得点を獲得しました。本番に向け、順調にタヒチの海とつながってきているようです。
五十嵐選手「サーフィンの世界チャンピオンと言っても、良く意味が分からないところもあるし。オリンピックの金メダルは説明しなくてもいいくらい。それがオリンピックのすごく特別なところ。今回のパリオリンピックでもファンの力をもらって、それをパフォーマンスにつなげられる準備をしています」
(6月9日放送「サンデーLIVE!!」より)
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