第106回全国高校野球選手権東・西東京大会の組み合わせ抽選会が15日、東京都渋谷区の青山学院高等部PS講堂であった。今夏は東西の計251チーム(270校)が出場する。7月6日に神宮球場で開幕して開会式があり、試合は7日から始まる。

 東東京大会は127チーム(139校)、西東京大会は124チーム(131校)が参加する。春の都大会16強がシードとなる。連合チームは東が5チーム、西が3チーム出場する。

 春の都大会を制し、東東京大会の優勝候補の筆頭に挙げられる帝京は、最初にくじを引いた。大役を担ったのは、二郷ワタル選手(3年)。第1シード校に当てられていた場所に、校名の入ったカードをぶら下げた。

 二郷選手は抽選会後、報道陣の取材に応じ、チームのキーマンに、選手宣誓する西崎桔平主将(3年)を挙げた。「選手にも保護者の方々にも印象に残る宣誓をしてほしい」。昨秋に二松学舎大付に敗退し、冬から「圧倒」というテーマを掲げトレーニングを積んできたという。

 ただ、帝京も簡単には勝ち進めなさそうだ。東東京大会で2連覇を狙う共栄学園は、主将の高橋祐稀(よしき)選手(3年)がくじを引いた。昨夏の大会は「ミラクル共栄」と称され旋風を起こした。だが、昨秋と今春は本大会の1~2回戦で敗退。「積み重ねがミラクルにつながる。遠くを見ずに、目の前の試合に向かいたい」。勝ち進めば帝京と準決勝で当たることになる。

 夏の東東京大会で5度の優勝を誇る二松学舎大付も、優勝を狙う。2年連続でノーシードとなったが、長野清弥主将(3年)は「全員一枚岩となって戦う。夏の甲子園に行くためにどうしたらチームが良くなるかを常に考え、話し合ってきた」。

 昨秋の都大会を制し、神宮大会で大阪桐蔭を破った関東第一もこわい存在だ。春の都大会4回戦で負け、夏の大会にかける思いは強い。高橋徹平主将(3年)は春を振り返り、「(新基準の)バットが飛ばなくなり、ふがいない負け方だった。甲子園で校歌を歌えるように、バントや走塁を徹底的に練習してきた」と話した。

 一方、西東京大会は、今春の都大会で準優勝し、関東大会で4強入りした東海大菅生が軸になる。宮本恭佑投手(3年)は、「一冬越えて、打力の状態が上がってきている。自分たち投手陣が夏のキーマンになりそう」と言い切る。

 今春の都大会決勝、関東大会準決勝と敗れた試合では、いずれも投手陣が打ち込まれた。チームは打撃の状態が上がっているだけに、「投手が最少失点に抑えることができれば、優勝できる」と話した。

 ただ、東海大菅生のAブロックには3連覇を狙う日大三、国士舘など強豪校が入り、優勝への道のりは楽ではなさそうだ。

 日大三の土井貴仙(きせん)主将(3年)は抽選会後、「正直、連覇のプレッシャーはある。ただ、甲子園に行ったのはあくまでも上の代で、今年の代は結果を残せていない」と話した。今春の都大会は3回戦で佼成学園に敗れた。「全員が悔しい思い、甲子園でプレーしたいという思いを持っている。チャレンジャーとして一戦必勝で立ち向かっていきたい」と気を引き締めていた。(佐野楓、西田有里、吉村駿、中村英一郎、石川瀬里)

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