第106回全国高校野球選手権兵庫大会の開幕試合が7月6日、明石トーカロ球場である。開幕試合の始球式で投手役を務めるのは、テニスで世界のトップ選手をめざす親和女子高校3年生の西村佳世さんだ。

 神戸市で生まれ、父と兄の影響で小学1年生からテニスを始めた。高校1年生の時には全日本ジュニア選手権で優勝。昨年からは国際テニス連盟(ITF)の大会に参戦し、アフリカ・チュニジアの大会で準優勝した。

 兵庫県川西市出身で元プロテニス選手の奈良くるみさんを尊敬している。身長は同じ150センチ台とテニス界では小柄でも世界で活躍した奈良さんのプレーを見て、「人の倍を走ってどんなボールもあきらめずに打ち返す」というプレーを心がける。放課後は、1時間半の体力トレーニングと3時間の練習をこなす。トレーニングジムは3カ所に通う。

 将来の夢は、全米や全英など世界4大大会への出場だ。女子テニス協会が公表している国際ランキングは6月11日時点で701位で、年内に「500位以内にもっていきたい」と意気込む。高校を卒業する来年には出場する大会の大半は海外が舞台となる。

 高校野球は、甲子園が兵庫県にあることで身近に感じてきた。今回、始球式の投手役を務めると決まった時は「すごくうれしかったです」と笑顔で話す。

 甲子園を目指す高校球児の姿から刺激を得たいという。始球式は「悔いの残らないように練習を頑張って、その成果を発揮してほしい」と同じ年の3年生へ、エールを込めて投げるつもりだ。(原野百々恵)

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