ネーションズリーグ女子予選ラウンド全12試合を8勝4敗の5位で終え、世界ランキング7位で6大会連続の五輪切符を掴み取ったバレーボール女子日本代表。眞鍋政義監督はパリ五輪の目標について「まずはオリンピックの切符を獲る事が1番の目標だった。パリの目標はこれから選手たちと話しあって決めます」と、五輪本番の目標をまだ明言しなかったが、キャプテンの古賀紗理那(28、NEC)は違った。
古賀「私は、なんちゃってメダルを目指しています」
キャプテンの古賀は「私は、なんちゃってメダルを目指しています。誰も日本の女子はメダルを獲れるだろうなんて予想してないから、えっ日本調子よくない?え!え!え!お!お!お!勝ったぞ日本!みたいなのを目指しています」と、快勝したセルビア戦後に笑顔で話してくれた。
東京五輪で25年ぶりの1次リーグ敗退。去年のパリ五輪予選では男子が出場を決める中、女子はあと一歩のところで切符を逃していた。期待と人気が男子に集まる中での秘かな自信。今大会を戦う中、日々の成長をキャプテン3年目の古賀自身が感じていたからだ。
選手だけのミーティング より高まる“精度”
誰もが勝利を予想しながら惜敗したカナダ戦後、古賀は冷静に「精度だと私は思っていて、もちろん素晴らしいスパイクを海外の選手はたくさん打ってくるけど、そこじゃなくてチャンスが来た時の精度、気持ちの部分でも焦らずに自分たちのプレーをいかに勝負所で出来るかっていう所が、全く出来ていなかった。でも選手全員がそれを自覚してると思う」と語っていた。サーブ、サーブレシーブやスパイクコンビの精度はもちろん、ラリー中のチャンスボールをしっかりコンビが作れるようにセッターに返せるか、レシーブが乱れネットから離れた位置からの二段トス(ハイセット)をアタッカーが打ち切れるよう上げられるか…今大会、眞鍋ジャパンはチームで行う戦術ミーティングとは別に、古賀が中心となり“選手だけのミーティング”も頻繁に行っていた。
古賀は「それぞれが、ホントあとちょっとずつ頑張ったら、その一本が試合を動かすかもしれないっていう話をした。ただ試合に入ってコンビと精度のちぐはぐな部分はもちろんあるけど、そこも助けあって、その日のコンディションで、明日は明日の精度次第で自分たちで変えられる部分は沢山あると思うので、個々がちゃんと臨機応変に対応する事が大切だと思う」と、連戦の中、状態に応じ、時には試合中でもコミュニケーションをとりながら精度を上げていく。
“精度”意識共有でチームが成長
古賀を支える立場にある3選手も手応えを語る。
眞鍋監督は「レシーブが上がって二つ目のトスが打ちやすい所に上がるか、4、50センチずれるだけで全く違うので、そこは気持ちの部分が大きい。当然去年と全く違う。選手たちは手応えを感じていると思う」とチームの成長を語っている。古賀も予選ラウンドを終えた反省の中でもチームとして「成長はしています」と言い切る。
決勝ラウンドでは自信を 「なんちゃってメダル」から「メダル獲り」に
パリ五輪まで40日を切る中、どれだけ一本の精度をあげチームとして成長できるのか。「なんちゃってメダル」ではなく、12年ぶりのメダルをチームとして自信を持って目標に掲げられるように。まずは20日から始まるネーションズリーグ決勝ラウンドで何かを見せて欲しい。
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