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【UEFA EURO 2024】オーストリア代表 0−1 フランス代表(日本時間6月18日/デュッセルドルフ・アレーナ)

 まさに傑出したパフォーマンスだった。UEFA EURO 2024初戦でオーストリア代表を0−1で下した優勝候補筆頭のフランス代表。得意の爆速ドリブルから決勝ゴールに繋がるオウンゴールを誘発したFWキリアン・エムバペを上回るインパクトを残したのが、MFエンゴロ・カンテだ。

【映像】カンテが「爆速すぎる鬼インターセプト」の瞬間

 レスターとチェルシーでプレミアリーグ個人連覇を達成し、ロシア・ワールドカップ優勝にも貢献した2010年代後半のカンテは、圧倒的なボール奪取能力と無尽蔵のスタミナを武器に「世界最高の守備的MF」と謳われた。しかし、その後は怪我が多くコンディションが安定せず、2022年カタール・ワールドカップも故障で欠場。さらに2023年夏にはサウジアラビアのアル・イテハドに移籍し、欧州トップレベルから遠ざかったことで、世界的には「忘れられた選手」と化していた。

 しかし、すでに33歳ながらUEFA EURO 2024に向けて約2年ぶりにフランス代表に電撃復帰。大会直前の強化試合でディディエ・デシャン監督を納得させると、オーストリア代表との本大会初戦でも4−3−3システムのアンカーでスタメンに抜擢された。

 すると、まさに縦横無尽の動きでボールをとにかく狩りまくる。とりわけ圧巻だったのが、49分のワンシーンだ。右SBのジュール・クンデがドリブルで持ち上がるも、連携が合わずパスをオーストリア代表に奪われる。フランス代表はそのまま危険なカウンターを食らいそうになるが、中継映像の画面外からカンテが猛烈な勢いで飛び出して縦パスをカット。そのまま二次攻撃に繋げたのだ。

 ポジショニング、危機察知能力、スピード、そしてボールを奪い取る能力。どれを取っても“全盛期のカンテ”そのものだった。ファンから「出足はええ」「今のインターセプトはカンテっぽい!」「さすがやな」「やばすぎ」「はっや笑」「なんやそのスピード…」など感嘆のコメントが相次いだのも納得だ。

 カンテは85分の被カウンター時にも爆速カバーリングでボール奪取を成功させるなど、フランス代表の攻守のバランスを支え続ける。最終的に11.77kmを走破してボール奪取9回、クリア2回、パス成功率92%を記録して、UEFAからPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に選出されると、「不安もあったけど、気持ちを取り戻せる良いスタートになった。これからもみんなで一緒に戦っていきたい」と、はにかみながら謙虚に語ったのも、また彼らしかった。

 このオーストリア戦の終盤には、エースにして主将のエンバペが鼻を骨折するアクシデントに見舞われて途中交代。フェイスマスクを付ければプレー可能と見られているが、オランダ戦(日本時間6月22日)とポーランド戦(日本時間6月26日)の出場は不透明だ。よりチーム力が問われる状況だけに、復活したカンテの存在はフランス代表の中でますます重要性を増すことだろう。

(ABEMA/UEFA EURO 2024)

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