今からちょうど20年前、日本のプロ野球界は球界再編問題で大きな危機に直面していました。その危機を乗り越え、この先の未来にはどんな可能性が秘められているのか。
「リーグマネジメント」に続くキーワードは「エクスパンション」
日本球界のさらなる拡大の可能性とは?
古田敦也さんとともに考えます。
<全4回の#4>
#3「プロ野球界の未来は? カギは「リーグマネジメント」古田と考える「再編問題」から20年」から続く■「エクスパンション」日本でも新球団設立?
「エクスパンション」とは、拡大や拡張を意味する単語です球界における「エクスパンション」とはどういう意味なのでしょうか? 古田さん
「球団を増やそうという動きです。『今は12球団でいっぱい』、『これから減らそう』という人もいます。そうではなく、エンタメとして新しいコンテンツをどんどん出して、もっと野球ファンを増やしましょう」
「まだまだプロ野球がない地域も日本にはあります。そういうところで野球をやっていただけたらと思います。ぜひNPBから発信して、地方で気概のある方が『うちでやってほしい」という声が出ると、日本中がもっと盛り上がるチャンスがあると思います」
野村修也さん(弁護士・北海道出身)「私もよく分かります。子どもの頃、北海道には球団がなく、野球が自分事にできない時代がありました、日本ハムが移転してから、急激に北海道の人たちが野球に関心を持つようになり、今ではみんなが球場に行っています。すごいなと思います」
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■球界拡大へ実績は十分「地元の球団を愛してくれる」■球界拡大へ実績は十分「地元の球団を愛してくれる」
古田さんは現役時代、地方各地を試合で転々としていましたが、どのような部分に球界拡大の可能性を見出しているのでしょうか? 古田さん「日本にはまだまだ良い球場がたくさんあります」
プロ野球12球団の本拠地がある場所以外にも、球場は日本全国各地に存在します。過去20年間で公式戦が開催された球場は12球団の本拠地を含め39都道府県に上ります。
古田さん「地方開催もしていますし、プロ野球ができる球場もたくさんある。楽天が仙台に、日本ハムが北海道にあります。以前はプロ野球球団がなく、巨人ファンしかいないから、新しい球団を移転してもしょうがないと言われていました」 「でもそんなことはなかった。地元の球団をこんなに愛してくれる人々がいるのですから、他の場所でもチャンスは十分にあると思います」
■広がる展望 プロ野球界の未来視点「野球を通じて盛り上がる」
さらに、古田さんは「日本だけでなく、もっと広げてもいい」という考えを示しました。 古田さん「マーケットをどんどん大きくしましょうという話です。アジアにも進出して、日本の優勝チームと韓国や台湾の優勝チームが戦ったら面白いという考えも昔から言われていました。しかし、僕はそうではなく、アジア圏のチームを各国1球団ずつくらいリーグに入れてしまうという考えです」 「例えば、MLBにはトロント・ブルージェイズ(カナダ)が国境を越えて参加しています。(アジア圏のチームは)距離的にはそんなに遠くないですし、例えば西地区などに分ければいいと思います」 「今のパ・リーグは、福岡から札幌、所沢、仙台といった移動があり、非常にコストがかかりますし、移動時間もかかります。違う形のプレーオフを行うのも面白いかもしれません。そうするとマーケットは確実に大きくなると思います」
最後に球界の未来視点について古田さんに聞きました。
古田さん「この野球を通じて、皆さんが盛り上がっていただけることが本当に良いことだと思います。日本は潜在的に一極集中の問題を抱えています。人口が減っているなか、東京だけが増えるという状況です。地方の中核都市でもエンタメを盛り上げて、野球を使って、盛り上げてほしいです」
日本プロ野球界の今後の伸びしろに期待です。
(6月23日放送「サンデーLIVE!!」より)
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