【UEFA EURO 2024】クロアチア代表 1−1 イタリア代表(日本時間6月25日/ライプツィヒ・アレーナ)
イタリア代表スーパーサブの劇的同点ゴールは、憧れたレジェンドへのいわばオマージュとなった。クロアチア代表との一戦で81分から途中出場したMFマッティア・ザッカーニが、1点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイムに値千金の同点ゴール。本人は試合後、往年の名手への憧れを口にした。
【映像】ザッカーニの「デル・ピエーロ風ゴール」
UEFA EURO 2024で最注目となった“死の組”グループBの最終戦で、2位のイタリア代表は3位のクロアチア代表と対戦。序盤からボールを握られたアッズーリは55分、ルカ・モドリッチに大会最年長ゴール(38歳289日)を許す。このまま敗れればグループ3位となり、決勝トーナメント進出はワイルドカードの結果次第となる窮地に立たされた。
そんな中で81分にスーパーサブとして投入されたザッカーニは、得意の左ウイングに入る。そして、90+8分に大仕事をやってのけるのだ。
センターサークル付近でボールを受けたDFリッカルド・カラフィオーリが、ワンツーとドリブルを駆使して相手陣内に侵入。そのままボックス手前まで運び、最後は左サイドに流れていたザッカーニにボールを渡す。
するとザッカーニは、このパスに対して右足インサイドで迷わずダイレクトシュート。大きな弧を描いたシュートは、この試合で幾度となくスーパーセーブを見せていたGKドミニク・リヴァコヴィッチでさえも届かない“神コース”を通過して、ゴール右上に突き刺さった。
このゴールが事実上のラストプレーとなり、1−1で試合は終了。ザッカーニに救われたイタリア代表はグループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。
試合後の公式インタビューでザッカーニは、「言葉では言い表せないほどの感動だった。チームの予選突破に貢献するゴールを決めることができてとても幸せだ。カラフィオーリが素晴らしいボールを出してくれた。チーム全員でハグしたし、最高の忘れない夜になった」と語った。
ちなみに、今回のゴールはいわゆる「デル・ピエーロ・ゾーン」からの一撃。1990〜2000年代にイタリア代表で活躍したレジェンドのアレッサンドロ・デル・ピエーロが、左45度から右足でファーサイドに巻くシュートを得意としていたからだ。2006年ワールドカップの準決勝ドイツ戦で決めたゴールは、今回のザッカーニのゴールと角度や蹴り方が似通っており、SNSでは「デル・ピエーロだ」「ザッカーニが2006年のデル・ピエーロに変身」「信じられないくらい似てる」など話題沸騰となっている。
その点について聞かれたザッカーニは、はにかみながら「アレックス(デル・ピエーロの愛称)は僕のアイドルだった。(子供の頃は)彼のポスターを部屋に貼っていたんだ。今大会の出発前に彼に会えたし、最近また話すこともできた。とても興奮したね」と答えている。
イタリア代表は今大会の事前合宿に、デル・ピエーロに加えロベルト・バッジョ、フランチェスコ・トッティ、ジャンニ・リヴェーラ、ジャンカルロ・アントニョーニという往年の背番号10たちを招いて、選手たちを激励させていた。その中でザッカーニは憧れのデル・ピエーロと嬉しそうにツーショット写真も撮っていた。今回のスーパーゴールが生まれた裏には、その効果が少なからずあったことだろう。
(ABEMA/UEFA EURO 2024)
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