甲子園出場をかけた第106回全国高校野球選手権福島大会の組み合わせ抽選会が25日、福島県須賀川市の市文化センターであった。今大会は68校62チームが参加。開会式は7月12日午前10時から福島市の県営あづま球場で開かれる。日程が順調に進めば、決勝は28日午前10時から同球場である。

 シード校は昨秋や今春の県大会などの成績により、1位から順に聖光学院、学法石川、光南、磐城、東日大昌平、相馬、田村、福島商の8校に決定。連合チームは、「福島北・伊達」「安達・本宮」「白河旭・小野」「石川・船引」「いわき総合・平商・相馬農」の5チームが出場する。

 午後3時から始まった抽選では、選手や学校関係者らが息をのんで結果を見守った。

 3連覇を狙う聖光学院は、初戦となる2回戦で白河実と日大東北の勝者と戦う。佐藤羅天(らま)主将は「夏はどのチームも聖光学院を意識してくると思う。自分たちがやり切れるよう、ひたむきに泥臭く試合をしたい」。春の選抜大会に出場した学法石川は、初戦の2回戦で石川・船引とふたば未来学園の勝者と対戦。小宅善叶(よしと)主将は「後はやるだけ。仲間を信じ、自分を信じ、指導者を信じ練習に励みたい」と意気込んだ。

 昨秋と今春の県大会で準優勝した光南は、1回戦で橘との対戦が決まった。須藤颯歩(はやと)主将は「一球一球を大切に戦うことが甲子園への道。投手力と守備のレベルを上げ、粘り強い野球をする」と語った。第4シードの磐城は、1回戦で須賀川桐陽と当たる。高橋由伸主将は「気の抜けない相手」と気を引き締め、「目標は甲子園で校歌を流すこと。県立高校普通科でも甲子園に行けることを見せたい」と力を込めた。

 第5シードの東日大昌平の栗橋海斗主将は「『応援されるチーム』を目指してきて良い雰囲気。大会を楽しみたい」。第6シードの相馬の関颯汰主将は「中学校の頃から野球をやってきた仲間が多いので絆を生かして大会に臨む」と語り、第8シードの福島商の木村星斗(しょうと)主将は「一球一球に対して一生懸命になり、1点でも多く取れるようにしたい」と抱負を口にした。

 抽選前の主催者あいさつでは、県高野連の酒井祐治会長が「大会まで3週間。気持ちを引き締め、けがのないよう練習してベストな状態で臨んで」と激励した。抽選会に先立ち、高校野球の育成と発展に尽くした指導者へ日本高校野球連盟と朝日新聞社が贈る「育成功労賞」の表彰式があり、30年近く浜通りの県立高校で野球部監督を務めた服部芳裕さん(65)に賞状や記念盾が渡された。(酒本友紀子、滝口信之)

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 開会式で選手宣誓をするのは田村の国分紘也主将(3年)に決まった。宣誓を希望した41チームの中から見事に引きあてた。「福島県の全校の思いを背負って選手宣誓をしたい」と意気込んだ。

 田村は、昨年の大会で石川蓮也さん(現・仙台大)が選手宣誓を務めたのに続いて2年連続となる。「帰ったら蓮也さんに相談します」といい、宣誓の内容は「これまで携わってくれた方々へ恩返しの気持ちを伝えたい」と話した。

 シード校として臨む最後の夏。春の県大会の準々決勝で敗れた後、自分たちを「日本一弱いチーム」と位置づけ、練習に励んできた。「チャレンジャーの気持ちで一戦一戦挑みたい」(滝口信之)

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