第106回全国高校野球選手権愛知大会(朝日新聞社、愛知県高校野球連盟主催)の開会式が28日、パロマ瑞穂野球場(名古屋市瑞穂区)であった。日中の暑さを避ける熱中症対策のため、今大会は試合前日に式典を前倒した上で、午後4時から実施した。

 この日は雨天のため、会場は球場会議室に移された。前回優勝校の愛工大名電・山口泰知主将(3年)が優勝旗を、準優勝校の中京大中京・杉浦正悦主将(3年)が準優勝盾を返還した。

 大会には全国最多の173チームが参加。県高野連の白井雅彦会長は「明日からの甲子園に向けた戦いを精いっぱい頑張ってください」とエールを送り、「安心して試合に集中できるよう大会運営をする」と伝えた。

 朝日新聞名古屋本社の吉浜織恵・報道センター長は、「練習した時間、自分や仲間を信じて試合に臨んでください」と応援の言葉を贈った。

闘志を燃やす「幼なじみ」主将コンビ

 司会は椙山女学園放送部の林あゆみさん(3年)と平松郁海さん(3年)が担当。林さんは力強い選手宣誓を間近に「自分も勉強や受験を頑張りたいと思いました」と語った。平松さんは7月下旬にアナウンスの技術を競う全国大会に出場する予定。「同い年の選手たちが頑張っているのを見た。自分も全国大会で頑張りたい」と話した。

 今大会はノーシードから大会4連覇に挑む愛工大名電。山口主将は「目の前の相手を倒すだけ。1回戦から全力で戦う」と気を引き締める。

 今春の東海大会優勝の中京大中京、杉浦主将は「夏は絶対に甲子園へ行って日本一になれるよう全員で頑張りたい」。

 2人は保育園からの幼なじみ。下の名前で呼び合う中だが、互いに「負けたくない」「負けられない」と闘志を燃やした。(渡辺杏果)

力強い選手宣誓 国語の先生、校長先生から助言もらった

 「雲外蒼天(うんがいそうてん)の試合を乗り越え、今まで支えてくださった人たちに感動や夢、そして感謝を伝えられるよう一戦一戦全力で戦い抜きます」

 選手宣誓した鳴海の森部皓仁(あきよし)主将(3年)は力強く声を出した。

 1年生だった一昨年11月ごろ、左肩を脱臼し、チームから離れた。戻ると部員がいなくなっていた。一人で練習したこともあった。つらかったが、当時監督だった北川智晴部長がキャッチボールに付き合ってくれ、家族や友人も励ましてくれた。「過酷でも、その後には青い空がある」。これまでの歩みと思いも「雲外蒼天」の四字熟語に込めた。

 テストなどで十分に選手宣誓の練習ができなかったが、国語の先生や校長先生にアドバイスをもらった。「自分が言いたいことを伝えてきて、と応援してくれた」

 初戦は29日の開幕試合。宣誓では勝つことだけが目標ではない、と言ったが、勝たなければ楽しくない。

 「悔いが残らないよう、まずは初戦を突破したい」(川西めいこ)

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