第106回全国高校野球選手権静岡大会(朝日新聞社、静岡県高野連主催)の開会式が30日、静岡市駿河区の草薙球場であった。暑さ対策で今回から開始時間が前回までの午後から午前10時に前倒しになった。前回優勝校の浜松開誠館を先頭に108校108チームの選手が行進し、スタンドの野球部員や保護者らが見守った。

 6大会ぶりに単独出場する佐久間の選手や、沼津商の部員を借りる特別措置で単独名で出場する熱海の選手5人も腕を大きく振って入場した。入場行進の音楽は東海大静岡翔洋の吹奏楽部が奏で、静岡北の生徒がプラカードや国旗を持ち、静岡北特別支援学校南の丘分校の生徒たちも大会旗を手に選手たちを先導した。

 県高校野球連盟の石川徹会長は「それぞれの持ち場で全力を尽くし、やりきったと思える大会にしてください」とあいさつした。吉田博紀・朝日新聞静岡総局長も悔いのない大会をと激励した。

 開会式の最後には、高校野球の育成や発展に尽くした指導者に贈られる「育成功労賞」に選ばれた駿河総合の望月俊治監督(58)が表彰された。

 試合は7月6日から県内10球場で始まる。(斉藤智子)

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 「3年間の集大成として自分や仲間を信じ、笑顔で終われるような大会にする。誇りを胸に感謝をプレーで表現し、皆様の記憶に残る史上最高にあつい夏にする」

 選手宣誓をした清水桜が丘の小笠原蒼悟主将(3年)が力強く宣言した。

 「時代の流れで」と手をあげないスタイルで臨んだ。言葉は自分自身で考え、国語の先生に添削してもらった。25日に内容が固まってから、100回ほど繰り返し練習したという。本番では「これまで困難や苦悩があったが、支えになったのは、お互い切磋琢磨(せっさたくま)し高めあってきた仲間。そばにいてくれた大好きな家族、自分を成長させてくれた先生やコーチだった」と感謝の思いを届けた。

 開会式後、「大勢の人がいて緊張してかんでしまった。70点のできだけど、伝えることはきちんと伝えることができたと思う」と胸をはった。(本間久志)

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