7月6日に開幕する高校野球広島大会、注目校を紹介するシリーズ「変わる夏、変わらない夢」。きょうは、瀬戸内高校野球部を紹介します。
春夏合わせて5度の甲子園に出場している瀬戸内高校。このチームを引っ張る、4番でエースの 内藤綾祐 選手は、夏の大会を前にバント処理・投内連携、さらにはけん制球といった基本プレーに練習の大半を割いていました。
瀬戸内高校 内藤綾祐 投手
「(バント処理やけん制は)自分を助けるプレーだと思うので、そこは監督さんからも『しっかりやれ』と言われています。昔は打たせるだけのピッチングだったんですけど、今はフィールディングにも力を入れて、自分でもアウトを取れることを意識しています」
MAX140キロのストレートにチェンジアップで三振を奪える本格派投手ですが、フィールディング・クイック・けん制球。あくまでも “取れるアウトを確実に取る” ことに心を砕きます。
内藤綾祐 投手
「けん制でアウトを取れると投げ方も変わってきますし、自分(の投球)でも余裕ができると思うので、そのへんがいいと思います」
2番・セカンドの 白川幸輝 選手。チームのキャプテンでもある彼も、課題である内野守備の基本プレーを何度も繰り返します。“ファインプレーは要らない” 。“取れるアウトを確実に取る” 。そして、“次の塁を狙う走塁” を徹底します。
瀬戸内高校 白川幸輝 主将
「(一番徹底しているのは)“当たり前のことをちゃんとやる” ってことで、守備のミスとかは誰にでもあるけど、走塁とか “当たり前にできることはちゃんとやろう” ってことを徹底して、冬とか春とかもやってきました。ホームランを狙いたい気持ちもあったんですけど、自分のタイプだったらヒットを出したり、フォアボールで出塁したりっていうことを考えて打席に立ったりするようになりました」
野球の基本を声高に訴え続けるのが去年、就任した 永田利則 監督です。広島カープで26年にわたってコーチを務めてきたベテラン指導者の結論。それは、原理原則にのっとって確実にプレーを積み重ねることでした。
永田利則 監督
「本当に魔法なんかなくて、とにかく基本を徹底的にやって積み重ねていって、プロ野球ほど長くはできないので、はい。でも、すぐ時は経ちます。あっという間に終わってしまうので、高校野球っていうのはね」
勝利への道筋は変わりません。一方で、選手たちには変化を求めています。例えば、キャプテンの白川選手にはもっと強烈なリーダーシップを発揮してほしいのです。
白川幸輝 主将
― 自分が変わりたいと思うところは?
「人に強く言えないところがあるから、だらけたりしていたら(仲間に)言えるようになりたいと思います。今までは『ちゃんとやってよ』とか自分が動いて、みんなが動くのを待つというスタイルだったんですけど、それじゃダメっていうことに気づいたので、自分もやりながら他人にも言えるような選手になりたいと思っています」
ベテラン指導者の考えを全員に浸透させるため、キャプテンは変わらなければなりません。この日の練習、白川選手は大きな声を出し続けます。
「勝利へ近道はない。しかし、王道はある」―。それを知り尽くす監督の存在があるからこそ、瀬戸内の選手たちはその考えを伝えあい、共有します。
瀬戸内高校 内藤綾祐 投手
「全員野球でがんばります。応援、よろしくお願いします」
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