7月6日に開幕する第106回全国高校野球選手権滋賀大会。安曇川、湖南農、信楽、甲南、愛知、長浜農が部員不足のため、滋賀県では過去最多の6校連合チーム(18人)として出場する。
今回の連合チームは、琵琶湖北西部の安曇川、北東部の長浜農、南部の信楽などと広範囲にわたることが特徴だ。
6校の選手たちが一つになるためには、保護者の支えも欠かせない。
琵琶湖の西側にある安曇川
安曇川(高島市)は6校の中で唯一、琵琶湖の西側にある。昨秋と今春の県大会は、同じ市内の高島と組んで出場した。
その後、高島は1年生の入部によって単独で滋賀大会に出られるようになった。安曇川は、湖南農・甲南・信楽・愛知・長浜農の5校連合に加わることになった。
6校連合が本格的に始動したのは、5月に入ってからだ。合同練習や練習試合は土日に、地理的な点から愛知(愛荘町)や湖南農(草津市)で行うことが多い。
監督らが送迎することはできない決まりで、高島市内から公共交通機関を使って行き来するのは時間的に難しい。そこで保護者の出番だ。送迎を担うとともに、丸一日、プレーする我が子を見守る。
6月22日、愛知での練習試合があった。高島市内から南東に約30キロの位置だが、それは直線距離。間には琵琶湖がある。
この日やって来た安曇川の保護者は、山中美幸さん(51)、入江真由美さん(51)、水艸(みずくさ)治樹さん(49)の3人。
午前7時半の集合時間に間に合うように、それぞれ午前6時前に自宅を出発。琵琶湖西岸を南下して、琵琶湖大橋(約1・4キロ)を渡って来た。走行距離は70~90キロぐらいだ。
小さな頃から野球をしている我が子ともども、遠征は当たり前。「苦にならない」と3人は口をそろえる。むしろ、この生活が終わる日が来ることを想像すると、不安になるという。
3人は、我が子が連合チームの一員として、プレーできていることに感謝する。山中さんは「笑顔を絶やさずがんばって」、入江さんは「ちょっとでも長くやってほしい」、水艸さんは「最後の大会、楽しんでやったら結果は後からついてくる」とエールを送る。
「支えがないと野球できなかった」
朝早く起きてご飯を作ってくれるといった親の献身的な支援に選手たちは感謝する。山中脩平選手(3年)は「支えがないと野球はできなかった。恩返しの気持ちで1勝、2勝と勝ち進みたい」。入江凪哉選手(1年)は「3年生が抜けたら1人になってしまうけど、今は勝つことだけを意識したい」と意気込む。
練習試合が終わって解散となったのは午後5時ごろ。保護者は疲れた様子も見せず、車に息子らを乗せて帰路についた。(仲程雄平)
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