第106回全国高校野球選手権大分大会が6日、開幕する。4連覇を目指す明豊を軸に、昨秋の九州大会で8強入りした大分舞鶴や、好調の鶴崎工、最後の夏にかける各校がしのぎを削る。大会の展望や見どころは――。元新日鉄大分野球部監督の一円敏彦さん(77)、九州高野連顧問の大津裕也さん(65)、県高野連理事長の塚崎一孝さん(58)に聞いた。(聞き手・大村久)

 ――大会の展望は

 一円 力のある投手陣が多く波乱の要素も考えられる。予断を許さない戦いになるのではないか。ただ、突出した実績をもつ明豊、安定感のある大分舞鶴の第1シード2校が中心となりそう。

 大津 シード校が中心になるのは間違いないだろう。その中でも選抜出場、さらには春の九州大会優勝の明豊が軸になる。逃げる明豊を追うシード校という展開になるのではないか。

 塚崎 新基準のバットの影響で「投高打低」の構図が予想される。ロースコアのゲーム展開が多くなるのではないか。好投手がいるチームが多く、接戦になると番狂わせがあるかもしれない。

 ――各ブロックの分析。第1シード大分舞鶴が入ったブロックは

 一円 大分舞鶴は投手力が上がり、余裕がでてきた。第3シードの杵築は大分豊府―高田の勝者と初戦だが、ポテンシャルが高くて気が抜けない相手とどう戦うか。

 大津 大分舞鶴が抜けている。ノーシードだが大分工の投手が良いと聞いている。

 塚崎 遠征試合で甲子園出場校相手に投げた大分舞鶴の投手陣が、自信をつけているみたいだ。複数の投手でうまく回せば余裕を持てる。

 ――第2シード佐伯鶴城が入ったブロックは

 一円 佐伯鶴城と大分が勝ち上がる可能性が高そうだが、藤蔭と大分国際情報も侮れない。

 大津 シード中心だが、大分国際情報には「140キロ超えの好投手」と評判が高い選手がいる。国東はセンター方向に打ち返す打撃が魅力。柳ケ浦、津久見と同じシードポイントだった藤蔭も気になる。

 塚崎 140キロ超を投げるなど投手力が高い佐伯鶴城と大分国際情報が中心か。大分は春の九州大会県大会で優勝して勢いがある。勝ち上がれば一気にいく可能性もありそう。

 ――第1シード明豊が入ったブロックは

 一円 明豊は試合をやればやるほど強くなる。追うのは140キロ超の好投手がいる中津東のほか、大分東明と別府翔青か。

 大津 激戦区だが明豊が一つ抜けている。シード校以外では中津東、別府鶴見丘、大分東明、別府翔青。

 塚崎 夏に活躍が目立つ大分東明が気になる。勝ち上がれば勢いでいく可能性があり、展開としては面白くなる。

 ――第2シード鶴崎工が入ったブロックは

 一円 シード校が中心になりそう。大分南の投手が力を出せば非常に良い球を投げる。臼杵が勝ち上がれば、同じ南部で津久見の手の内を知る戦いに注目。

 大津 ストレートの切れと変化球がいい投手がいる鶴崎工。リズムよく投げる好投手がいる大分上野丘、臼杵もあなどれないが、要注意は津久見だろう。

 塚崎 投手にとって試合日程が厳しいが、徐々に調子を上げてきている鶴崎工か。

座談会の出席者

 いちえん・としひこ 大分高や新日鉄大分の監督を歴任。2009年から大分朝日放送(OAB)で、夏の大分大会の解説を担当。

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 おおつ・やすなり 選手時代は津久見で甲子園出場。大分鶴崎や日田の監督を歴任。2002年から7年間県高野連理事長。今大会はOABで解説予定。

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 つかざき・かずたか 2021年から理事長。大学卒業後、保健体育教諭となり、現在は大分豊府で勤務。県教委での勤務経験もある。

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