(第106回全国高校野球選手権滋賀大会)
愛知高等養護学校(滋賀県愛荘町)のオリベイラ・ライカさん(3年)は、1年生のときから愛知高校野球部のマネジャーを務めている。「めちゃめちゃよかった」と2年あまりを振り返り、周囲の人たちと支え合いながら「最後の夏」を迎える。
愛知高等養護学校と愛知高校は同じ敷地内にある。オリベイラさんは両親がブラジル人。日本で生まれ、愛知高等養護学校に通っている。
ゼロからおぼえた野球
「人の役に立ちたい」。オリベイラさんは入学後に担任の薄井賢さん(42)に相談した。その思いは野球部の加藤史典監督(33)に伝わり、マネジャーをすることになった。
中学まで野球に関わったことが全くなかったオリベイラさん。ノックのボールを渡したり、飲料水をつくったり、仕事を一つ一つ覚えていった。顧問や選手、他のマネジャーがやさしく教えてくれた。
6月22日にあった練習試合では、ベンチに座って試合展開を見ながらスコアをつけるオリベイラさんの姿があった。複雑なプレーがあったときには、選手がフォローしていた。
オリベイラさんは「みんな、すごくマネジャー思いでやさしくて、すごく支えてくれた。野球部でよかった」と笑った。加藤監督は「何をしていいかわからないところから、マネジャーとして自分で考えて動けるようになった」と話す。
普段の学校生活でも成長
普段の学校生活でも成長したことを担任の薄井さんは感じる。「視野が広がって、いろんなことに気づくことができるようになった。マネジャーでの経験が生きている」
オリベイラさんは、卒業後に就職することをめざしている。ただ、いまは大会が近づいてきて「ずっとドキドキしている」という。自分にやさしく接してくれた選手たち。「勝っても負けても、笑って終わりたい」
愛知は部員不足のため6校連合として出場する。6日に開幕する第106回全国高校野球選手権滋賀大会では、オリベイラさんは開会式で選手たちに先立って旗を持って入場行進する役を担う。(仲程雄平)
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