第106回全国高校野球選手権東・西東京大会の開会式が6日、新宿区の神宮球場であった。選手宣誓した帝京・西崎桔平主将は「一人の一歩より、全員の一歩」とチームで戦う意味を訴えた。夢の舞台へ続く、高校球児たちの夏が始まった。

 大会には東西あわせて270校251チームが出場し、試合は7日から始まる予定。午前10時に始まった開会式には、期末試験などで都合がつかなかったチームを除く238チーム約5千人の選手が参加した。

 東京消防庁音楽隊が演奏する「栄冠は君に輝く」などに合わせ、昨夏の優勝校、共栄学園(東東京)と日大三(西東京)を先頭に次々と入場した。保護者らが見守るスタンドからは、手拍子や「頑張れ」といった歓声が送られた。多くのカメラが向けられるなか、選手たちは力強く手足を上げて行進した。

 都高校野球連盟の根岸雅則専務理事の宣言で、大会は開幕した。都高野連の小山貢会長はあいさつで、「大会を通して1人の野球選手として、青年として成長していくことを大いに期待しています」とエールを送った。

 朝日新聞社の宮嶋加菜子東京総局長は「グラウンドが、観客席が、東京の夏が皆さんの登場を待っていました」と話し、「光あふれるグラウンドで思う存分躍動してください」と呼びかけた。

 昨年の東西大会の優勝旗と準優勝杯の返還もあった。東東京大会の優勝旗を返還した共栄学園の高橋祐稀(よしき)主将(3年)は、「優勝旗の重みを感じ、やってやるぞという気持ちになった」。投打共に仕上がりは上々だといい、「連覇は意識せず、1戦ずつ戦い抜きたい」。

 西東京大会の昨夏の覇者、日大三の土井貴仙主将(同)は、「お客さんがいっぱい入った神宮球場はきれいだった」と笑顔で話した。大観衆の中、普段通りのプレーをできるかが大事だとし、「まだまだ練習をしっかり積みたい」と気を引き締めていた。

 大会が順調に進めば、決勝は西大会が28日、東大会が29日にある。(西田有里、吉村駿)

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