一人の一歩より、全員の一歩。諦めなければその先には、必ず未来があると、夢は思い続ければ必ずうと信じて精進します――。

 選手宣誓を務めたのは、今春の都大会を連覇した帝京の西崎桔平主将(3年)。「野球をやっている以上、チームスポーツだと思う。全員で一歩を踏み出して進んでいくという思いを伝えたかった」。かみ締めるように、言葉を紡いだ。

 宣誓の文章を考え始めたのは6月中旬ごろ。1年生の頃の苦しさや思い出を振り返る中で、頭に浮かんだキーワードから、ふさわしいと感じた言葉を選んだという。試練やけがをともに乗り越えた仲間や、支えてくれた人への感謝の思いを述べ、「仲間と共に、感謝の気持ち、熱き思いと、魂を込めて、全力で戦うことを誓います」と結んだ。

 最後の大会で任された大役。両親からは「自信を持って堂々と言えば、絶対に思いは伝わる」とアドバイスをもらった。「試合よりも緊張したけど、今日は堂々と言えたと思います」。開会式後、ほっとしたような笑顔を浮かべた。

 新チーム始動後、この夏に向けて「甲子園優勝」を掲げてきた同校。春の都大会で優勝し、第一シードとして臨むが、そこに慢心はない。「春と夏は全く別物。一戦必勝で、本当に挑戦者の気持ちで圧倒して勝ちたい」と意気込んだ。(佐野楓)

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魂をこめて、全力で戦うことを誓います(選手宣誓全文)

 宣誓、今走り出す高校球児の夢の始まり、いくつもの試練を乗り越え、いくつものケガを乗り越え、仲間とぶつかり合い、困難を乗り越え、成長してきた今、ここ神宮球場のグラウンドに立っていること、大好きな野球ができる喜びを強く胸に感じています。

 一人の一歩より全員の一歩、諦めなければその先には、必ず未来があると、夢は思い続ければ必ずかなうと信じて邁進(まいしん)します。監督、コーチ、家族、今まで支えてくださった方々に、エールを送り続けてくれた全ての方々に、仲間とともに、感謝の気持ち、熱き思いを、魂をこめて、全力で戦うことを誓います。

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