「投打二刀流」で山形の野球ファンを魅了し、今年プロの世界に飛び込んだ横浜DeNAベイスターズの武田陸玖選手(19)=山形中央高校出身=。7月12日開幕の山形大会を前に、オンライン取材でメッセージを寄せてくれました。

 ――5月に右肩を手術したと球団発表がありました。

 「練習で右肩を脱臼したことがあり、脱臼を繰り返さないために手術をするという選択をしました。今はリハビリを続け、治すことに集中しています。野球のことをより深く知るために、勉強する時間が増えました」

 「野球をする環境は大きく変わりましたが、自分のスタイルでやっていくという意識のまま過ごせていると思います。テレビで見ていた選手たちと接し、野球に対する高い意識をもっていることを肌で感じています」

 ――高校時代の目標は何でしたか。

 「小学生で野球を始めた時からずっと、『プロ野球選手になりたい』という夢をもって練習してきました。高校時代も、その気持ちは変わらずに野球を続けていました」

 ――山形大会には1年から出場しました。

 「小さいころから、『野球を楽しそうにしているね』と言われていて、高校時代も野球を楽しもうと考えてきました。3年間、毎日一緒に練習をしてきた仲間と一丸になって、野球を全力で楽しめていたと思います」

 「大会前は『いよいよだな』という気持ちはありました。ただ、大会前だからと言って特別なことをするのではなく、一日一日を今まで通りに、全力で過ごすことが結果につながると心がけて練習をしていたと思います」

 ――思い出に残っている試合は。

 「やはり昨年夏の山形大会決勝で、日大山形に4-6で敗れた試合が心に残っています。たくさんの人に応援してもらったので、試合が終わったときは悔しいという気持ちが大きかったです」

 「立場上はキャプテンでしたが、チームをまとめてくれる同級生がたくさんいました。自分が言い切れないところを、代わりに言ってくれる仲間がいて、本当に助けられました」

 ――去年9月にU18ワールドカップに出場しました。

 「レベルの高い人たちと一緒に野球をさせてもらって、『そこまで考えているんだ』と色んなことに気づきました。こういう人たちが活躍するんだと実感し、『今のままなら活躍できない』と自分に足りないところを見つけ、頑張ろうという気持ちになりました」

 ――昨年10月のドラフトの際に「投打二刀流」の目標を掲げました。

 「自分の目標や、野球を楽しむという小さいころからの気持ちは、全く変わっていません。今はまず、一日も早くけがを治し、チームの力になれるように頑張っていきたいと思っています」

 ――後輩球児にどんな声をかけたいですか。

 「みんな野球を始めた時、自分からやりたいと言って始めたと思います。高校で野球を終える人もたくさんいます。好きで始めた野球を、最後まで全力で、初心を忘れないでやってほしい。そう願っています」(聞き手・坂田達郎)

武田選手の略歴

たけだ・りく 山形県天童市出身。同市の少年野球チーム「成生(なりう)ファイヤードラゴンズ」でプレーし、市立第四中学校軟式野球部を経て、県立山形中央高に進学した。甲子園出場はならなかったが、1年から山形大会で活躍。2、3年では決勝に進んだ。昨年のU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)では3試合に登板して無失点に抑え、打者としては4試合で4安打3打点の活躍で日本の初優勝に貢献した。プロ入り後の今年5月15日、右肩を手術したと球団が発表した。

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