(テニス・ウィンブルドン選手権 第7日)

 マリーとウィンブルドンの別れは意外な形でやってきた。

  • 家では一応日本語、ラケットは投げない… 兄が語る柴原瑛菜のルーツ

 6日に予定されていた混合ダブルスを、ペアのラドゥカヌのけがで棄権。結果的に、4日にあった兄ジェーミーとの男子ダブルス1回戦が聖地での最後の試合になった。

 2013年、男子シングルスでイギリス勢として77年ぶりのウィンブルドン優勝を果たした。五輪では12年ロンドン、16年リオデジャネイロの両大会で金メダルを獲得。だが、股関節などの度重なる故障で17年の全米オープン以降は4大大会で16強に入れなかった。

 37歳はそれでもプレーを続けてきた。今大会も約10日前に背中の手術をしたばかりだったが、「最後にもう一度、センターコートでプレーしたい」と、自らを奮い立たせていた。

 「永遠にプレーしていたい。このスポーツが好きなんだ」

 そう言葉を詰まらせた4日の敗戦後、センターコートに入れなかった多くのファンの前に現れ、手を上げてこたえた。感慨深そうに、しばしの間、立ち止まって。

 英国をわかせた不屈の英雄は、パリ五輪を最後にラケットを置くことになりそうだ。(ロンドン=内田快)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。