(7日、第106回全国高校野球選手権山梨大会1回戦 青洲8―1甲府昭和)

 1点を追う四回表。甲府昭和の4番打者・古泉裕太選手(3年)はチーム2本目となる安打を中前に放って出塁すると、立て続けに好走塁を見せた。

 次打者の打球が敵失を誘うと、一塁から一気に三塁に進塁。続いて二塁ゴロが併殺崩れとなる間に、判断よく本塁に突っ込み同点に追い付いた。「二塁手が前進守備ではなかった。行けると思った」。大木博監督は「頼りになる4番。走塁センスもいい」と話す。

 五回表には2死満塁で打席に立った。勝ち越しのチャンスだったが、三塁ゴロに倒れた。古泉選手は「ここで打っていれば、流れが変わっていた」と悔やんだ。

 終わってみればコールド負け。それでも「最後まで逆転できる」と諦めなかった。1回戦は山梨大会の開幕試合となり、「決まった時から、思い切り楽しもう、笑って終えようと思っていた」と、試合終了後も涙はなかった。

 敗退が決まり、小学3年から続けてきた野球から離れるつもりだ。「下手だった自分が、4番を打つまでになった。本当に感謝しかない」。さわやかな笑顔で語った。(豊平森)

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