甲子園出場を目指す37校36チームの球児たちが一堂に集う第106回全国高校野球選手権香川大会の開会式が7日、高松市のレクザムスタジアムであった。開幕試合は10日にある石田・飯山の連合チームと藤井の対戦で、熱い夏が始まる。(和田翔太、木野村隆宏)

 開会式は熱中症対策のため、午後5時から始まった。

 校名が書かれたプラカードを持ったマネジャーらの先導で、出場37校36チームの選手たちが、元気よく行進。会場に集まった観客から大きな拍手が送られた。

 グラウンドに選手たちが整列すると、昨年の優勝校・英明の清家準主将が優勝旗を返還した。

 開会のあいさつをした上杉敬治・県高野連会長は「チームメートの思いと共に、全身全霊でゲームセットまで全力プレーすることを期待する」と激励した。

 熊谷徹也・朝日新聞高松総局長は「3年間の努力や苦労、周りの人たちへの感謝の気持ちを胸に、全力をぶつけて下さい」とエールを送った。

 開会式の後には、高校野球の発展や選手の育成に尽くした指導者に贈られる日本高野連の「育成功労賞」の表彰式があり、笠田の監督、土井由喜さんが表彰状を受け取った。

 10日の開幕試合は、高松市のレクザムスタジアムで午後0時半から。日程通り進めば、27日の決勝で甲子園出場校が決まる予定。(和田翔太)

選手宣誓を務めた高松南・成合孝俊主将

 「私たちはたくさんの方々のおかげで、大好きな野球を続けることができました」

 選手宣誓を務めた高松南の成合孝俊主将(3年)は、「幼い頃から夢見た場所で野球ができる」のは、野球の楽しさや厳しさを教えてくれた指導者や、支えてくれたチームメート、家族のおかげだと、周囲への感謝を力強く述べた。

 原稿が完成したのは数日前で、親や高校の国語の先生に相談しながら作った。自宅近くの田んぼの脇に立って一人で練習を重ね、当日には部員の前でリハーサルもした。

 本番では、「ちょっと言うの早いんちゃうか」という部員の助言を生かした。

 「90点。やりきったという気持ちが一番」と誇らしげに語った。(木野村隆宏)

国歌独唱 高松一・橋村あおいさん

 国歌を独唱したのは、高松一の音楽科声楽専攻の橋村あおいさん(3年)。昨年9月の香川ジュニア音楽コンクールで金賞に輝いた実力を持つ。

 幼いころから歌うことが好きで、小中学校では合唱部に入り、高校1年から本格的に声楽を始めた。高校1年でスタンド応援に行った際に「自分もエールをもらった」と野球が好きに。その頃から球児たちの大舞台で歌うことを夢見てきた。

 本番では、柔らかく膨らみのある歌声が球場を包み、観客席から大きな拍手がわき起こった。

 大役を終えた橋村さんは「めちゃくちゃ緊張したけど、歌いきることができたのですっきりしています」と話した。(和田翔太)

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