(7日、第106回全国高校野球選手権長野大会1回戦 大町岳陽7―6長野東)

 6―6で迎えた延長十一回裏1死満塁。大町岳陽の藤巻敦也(3年)は1ボール2ストライクと追い込まれた。この打席、スクイズは一度、失敗している。だが「自分は小技の方が得意」とバントには自信があった。

 4球目。変化球に食らいついた。打球はフワッと浮いて捕手と投手の間に落ち、バックスピンがかかって捕手方向に転がった。際どいところで、フェアゾーンで止まった。スリーバントスクイズは、サヨナラ内野安打になった。駆け寄ってきたチームメートにもみくちゃにされた。

 「すごくうれしいんですけど、長い試合でとても疲れました」。3時間18分の熱戦に終止符を打った殊勲者は、満面の笑みでそう振り返った。(菅沼遼)

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