(8日、第106回全国高校野球選手権京都大会2回戦 京都明徳13―2洛西)
七回表、10点差とされ、なおも1死三塁。洛西のエースで主将の北野快成(かいせい)さん(3年)は自らタイムをかけ、仲間をマウンドに集めた。「最後まで盛り上げてくれよ」
直後に適時打を浴びるも、続く打者を三振、ファーストゴロに抑えた。
「ピンチになるほど楽しくなります」
感情を前面に出すプレーが持ち味。ベンチや塁上でも声を出してチームを盛り上げ、マウンドでは投げるたびに「よっしゃー」と雄たけびをあげる。「絶対に最後まで投げるつもりでした」と111球を投げ抜いた。
小学3年で野球を始め、平日は父の勝久さんにティーバッティングとストレッチを手伝ってもらうのが日課。「いつも厳しく指導してくれた。けがなくやってこられたのも父のおかげ」
七回裏、最後の打席が近づく。父と練習した日々が頭に浮かぶと、次打者席で涙があふれた。
1死一塁で打席が回ってきた。涙ながらに打ったボールはセカンドへ。併殺で試合終了かと思われたが、一塁にヘッドスライディング。「気持ちでつかんだセーフでした」(木子慎太郎)
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