(8日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦 七里ガ浜6―4荏田)

 4点を追う六回裏、背後では吹奏楽の演奏が鳴り響く。荏田の主将、川端琉空(3年)は「まだまだ逆転できるぞ」とメンバーを鼓舞し、打席に入った。

 無死一塁。「とにかく楽しむ。フルスイングで臨もう」。高めのストレートを振り抜き二塁打を放つと、一塁走者を生還させた。「ここからだ」とスタンドに向けて拳を突き上げた。ベンチから雄たけびが上がり、応援席がわいた。明らかに流れが変わり、この回で3得点を重ねた。

 普段の練習ではグラウンドがサッカー部と共用で半面しか使えなかったが、その中でもできることをチームでやってきた。逆転できなかったのが悔しいが、「楽しめました」と笑顔を見せた。(稲葉有紗)

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