(8日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 荒川工科6―5蒲田・中野工科・六郷工科 九回サヨナラ)

 地獄から天国へ――。涙をこらえて、フルスイングした4番の一振りが試合を決めた。

 同点に追いついた九回裏、無死満塁。打席に4番の森勘太郎(2年)が立った。「仲間がつくったチャンス。ここで決めないと4番ではない」

 初球の直球を強振すると、ライナーが中堅手のグラブをかすめ、サヨナラ適時打に。一塁を回ったところで泣き崩れた。

 打席に入ったときから悔し涙を必死にこらえていた。右翼を守っていた九回表の守備。内野手との間に上がった打球に飛びついたが、後ろにそれ、相手の一塁走者が一気に生還。勝ち越しを許し、「自分のせいで負ける。何もかも終わった」と責めた。仲間からの励ましの声も耳に入らなかった。

 決勝打を放ったが、試合後も大粒の涙が止まらなかった。「今はホッとした涙です。次も4番らしくどんどん振っていきたい」=大田(吉村駿)

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