(8日、第106回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 大崎12―7目黒)
七回裏、7点を追う目黒。この回で点を取らなければコールド負けになる。主将で4番の小倉周大(3年)は「みんなを引っ張る自分が後ろにつながないと」と、意気込んで打席に立った。
真ん中に来たスライダーを捉えると、打球は左越え二塁打に。後続のスクイズなどで本塁にかえり、コールドを阻んだ。
自分のミスを責めていた。三回表、遊ゴロをうまく処理できず、同点に追いつかれた。試合の流れを与え、その後、逆転された。「自分のエラーでチームに迷惑をかけた」。悔いる中、回ってきた打席だった。
望んでなった主将だったが、今春の都大会後、監督から主将を外れるよう言われた。「全員の意識を変える」ことが理由だった。
主将に求められる役割を考えた。率先して苦手なトレーニングに取り組んだり、後輩が意見を言いやすいようにしたり、チーム全体に目を配るよう心がけた。1カ月後、「今までやってきた主将に最後までついていく」と、チームメートにもう一度、主将に選んでもらった。
主将に復帰し、臨んだ8日の試合。クーリングタイム中に「まだまだできるよ!」とチームを鼓舞するなど、役割を果たそうとした。
加藤春彦監督は試合後、「最後までバットで取り返そうとしていた。チームに力を与えてくれた」とねぎらった。小倉は「勝てなかったということは、甘さが出たということ」と反省を口にし、最後まで主将らしかった。=神宮(佐野楓)
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