(9日、プロ野球 読売ジャイアンツ5―3広島東洋カープ)

 主砲のバットが巨人を6月6日以来、約1カ月ぶりの首位に導いた。ゲーム差なしで迎えた広島との首位決戦。失点後の嫌な流れを、岡本和が2度も断ち切った。

 まずは四回。1死一、三塁から広島・森下の外角変化球を右翼席に流し打つ。「犠牲フライにはなると思ったけど、入ったのでびっくりした」と岡本和。巨人は森下に対して2021年10月以降、10試合を戦って0勝。7連敗中と抑え込まれていた。三回に失策から先取点を献上し、重い雰囲気が漂い始めていただけに、ミスした仲間を救う一打でもあった。

 八回の打席も追いつかれた直後だった。1死二、三塁から島内の外角への155キロを捉え、決勝点を奪う犠飛を放った。

 6月は打率2割1分7厘。阿部監督は一時、打順変更を考えたというが、踏みとどまった。その期待に応え、これで安打は5試合連続。本塁打もリーグトップに並ぶ15号になり、「もっと状態を上げていって、チームが勝てるバッティングをしていきたい」。

 マツダスタジアムは昨季は3勝9敗で、今季も0勝4敗2分けと相性が悪かった。今季初勝利に阿部監督は「きょうミーティングで言ったんだよ。記者に『鬼門』って言われるから、いい加減に勝とうって」。逆方向に勝利の打球を運んだ岡本和については、「いいきっかけにして欲しいね」と目を細めた。(上山浩也)

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