「いせはらサンシャイン・スタジアム」(伊勢原市西富岡)のベンチ裏に、ツバメが巣をつくっている。開催中の夏の高校野球・神奈川大会の試合前、両チームの主将らが審判員と顔を合わせ、じゃんけんで先攻後攻を決める様子を「整列」してじっと見つめる姿は、まるで参加しているかのようだ。
球場に事務所がある伊勢原市みどり公園課の専門員、西野敏さん(61)によると、20年以上前から毎年4月末ごろにやって来て、子育てをしているという。球場スタッフは、フン害防止と来場者に巣があることを知らせるため、箱をあてがい、温かく見守っている。
神奈川大会が開かれている現在は、気の向くままに選手たちの合間をスイーッと飛んで、行き来している。
ヒナたちはかなり大きくなり、もうすぐ巣立ちの時を迎える。球児と同じく「来年も必ず戻ってくる」と、西野さんは信じている。(中島秀憲)
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