第106回全国高校野球選手権長崎大会(長崎県高野連・朝日新聞社主催)は13日に開幕する。長崎市の県営野球場で午後2時から行われる開会式では県内の高校生が司会進行を務め、国歌や大会歌を独唱する。出場する46チーム(55校)の選手たちを鼓舞しようと、高校生活で取り組んできた得意分野で闘志を燃やしている。(野崎健太)

 国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」を歌うのは、諫早高校コーラス部の橋本真都(まひろ)さん(3年)。屋外のスタジアムで、大勢の選手や観客に注目される中での独唱だ。ホールとは異なる舞台に「ふだんとは違う緊張感があります」と、練習を重ねている。

 身近に野球好きの人はあまりおらず、大会歌は今回、初めて知ったという。「ストレートに頑張れ、とは言わない、ちょっと大人な曲。歌詞に込められた思いが、聞いた後から心に響くように歌いたい」と話す。

 コーラスを始めたのは中学から。大勢で心を一つにして歌い、曲の世界を表現する合唱の魅力に引き込まれた。目標に向かって仲間と力を合わせ、チームで舞台をつくりあげるのは、野球にも通じる。「開会式は大会で最初に印象に残る出来事。出場する選手たちをたたえる気持ちを伝えたい」

     ◇

 司会進行は長崎北陽台高校の放送部でアナウンスや朗読の技術を磨いてきた貞岡杏果(きょうか)さん(3年)と山田唯翔(ゆいと)さん(同)が務める。昼休みの校内放送や学校行事での司会を手がけたほか、放送部の大会に向けて発声練習を重ね、番組制作にも取り組んできた。

 放送原稿を読むときは「硬くならないよう、おしゃべりのように自然に話すよう心がけている」という貞岡さん。部活の先輩が去年の長崎大会で司会を務め、自分もやりたいと思っていたという。「主役の選手たちを送り出す気持ちで臨みたい」と語る。

 祖父が少年野球の監督をしていたという山田さんは「すべてをぶつけ合うザ・青春の大会。選手たちが成功できるように送り出したい」と意気込む。課題図書などを感情を込めて読み上げる朗読に力を入れてきた。「自分にとっても集大成の舞台にしたい」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。