(13日、第106回全国高校野球選手権奈良大会2回戦、王寺工0-13香芝)
王寺工・本田知行監督
ちょっと座ろうか。お疲れ様でした。この学年は、最近の中では一番元気なチームで、なかなかみんなには言えないような、何とか頑張りたいんだという一人ひとりの気持ちを、野球ノートで見せてもらっていました。
去年の秋の大会で大敗してから、練習試合も含めて何点取られたかな。多分、3桁はいってると思う。その中でも君ら自身が、キャプテンが中心となって諦めない気持ちを持ってやってきたところは、自分自身もとても心を打たれるものがあってな。
お互いをたたえ合うっていうテーマを立てて、良いプレーと悪いプレーが両方含まれている時に、ナイスプレー、ナイスストップとかね、お互いを支えていけてチームがまとまって、みんなが一生懸命できたんじゃないのかなと。
グラウンドの外ではみんなで楽しくやってるけども、グラウンドに入ったら、1年生は「(主将の)青木さんは怖い」ということも言ってる。人が変わるんだなあ、野球に対する熱意があるんだろうなあ、って感じるところがあった。
だからこそ3年生一人ひとりの思いを、みんなが大切にしてきてくれたおかげで、自分自身もそれにより一層気づくことができた。こっちから教えてるつもりやねんけども、多くをこっちが学ばせてもらってる。俺からもな、本当に感謝を伝えたい。
試合だけじゃなくて、いろんな活動を特にこの学年は一生懸命してくれてた。1年生の時からあいさつ運動や清掃活動、あと(子どもたちと一緒に練習をする)小学校や幼稚園との交流会も、本当に楽しそうにしてくれた。
高校野球をやってて、野球のうまい下手だけじゃなくて、精神的に成長していく姿を見るのは本当に、教師としてというよりも人として、日々、すごく感動させられました。
野球のうまい下手は、最近急上昇して、今まだまだ急上昇中やと思うけども、人としてはたくさん成長した。それがこの点差になったとしても、最後の(最終打者の代打)大幸の一振りまでみんなが応援している様子が、それが三年生の一番の良さかなと思ってます。
もちろん悔しい思いをしてる人もおると思うねんけども、みんなの積み重ねてきた野球人生と人柄が、みんなにとってもやし、野球部にとっても大きな財産になっているので、今の1、2年生にとっては素晴らしい背中を見せることができたと思うので、本当に胸を張って下さい。
勝ちたかったよ。勝てると思ってたけどね。でもな、自分たちがうまくなると同時に、相手もうまくなるっていうのは、これは人生のいい勉強やと思うから。
君らは10倍ぐらいうまくなったから、そこは自信持ってええ。でもそれ以上に、県でトップクラスぐらいの、素晴らしい活動をしてるから、そこは本当に自信を持ってやっていってもらったら。
本当に素晴らしい学年でした。めっちゃやらしたけど。本当に最高の学年やと思うから、そこは俺自身も最高やなと思います。ありがとう。(上田真美)
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