(14日、第106回全国高校野球選手権宮崎大会2回戦 宮崎日大7―0福島)
ゼロからスタートしたチームの3年目の夏が終わった。 3年前、3年生が引退して部員ゼロとなった福島。翌年に選手として入部したのが、女子の松田乙芭(おとは)さん(3年)を含む現3年生11人だった。
その年の宮崎大会には1年生だけのチームで出場した。その後、後輩部員が加わり、今年は1、2年生も合わせて16人を選手登録。松田さんも記録員としてベンチに入った。
1回戦で延岡に7―3で勝利し、2回戦の相手は宮崎日大。初回に1点をとられたが立て直し、四回には同点の好機もつくった。しかし、六回に連打を浴びて0―7に。七回まで無得点のままコールド負けした。
エースの谷口悠羽(ゆう)主将(3年)は「五回までは皆に助けられながら投げたが、六回に自分の甘さが出た」と悔やんだ。一方でこれまでを振り返り「初めての年はコールド負けで、終わりもコールドだったけど、試合内容は全然違う」とチームの成長をかみしめた。
中学から野球を始め、福島の野球部に入ると男子の選手と同じ練習をして練習試合にも出場してきた松田さんは、この大会が始まる1週間ほど前に星原貴浩監督から「17」の背番号のゼッケンをもらった。その背番号と、6月に急逝した野球好きの祖父のネクタイをポケットに入れて、試合前のノッカーを務めた。
練習がきついことが、楽しいことでもあったという松田さん。「最初はエラーしたら自滅するようなチームが、いろいろ意見を言い合って成長してきた。高校で全員野球のすばらしさを学んだ。大きな財産です」と話した。(後藤たづ子)
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