(14日、横浜F・マリノス4―1鹿島アントラーズ)

 横浜マらしくないゴールだったかもしれない。

 0―1の前半終了間際、DFエドゥアルドが低い位置から放り込むように上げた左クロス。GKがはじいた球をMF天野純が左足で押し込んだ。

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 ボールを保持しながらパスをつなぎ、人数をかけて崩していく得意の形ではない。それでも、天野は言う。「先制されて、『またかよ』という雰囲気だった。前半で追いつけたのがすべてだと思う」

 5月下旬にアジア・チャンピオンズリーグの決勝で敗れ、心身ともにダメージを負った中、攻守がかみ合わない試合が続いていた。16年ぶりのリーグ戦4連敗。前節のガ大阪戦は0―4で完敗した。

 この日の試合前のミーティングでは「勝つしかない」ことを共有したという。どんな形であれ、必要だったのはゴール。これでチームは息を吹き返した。

 後半は攻撃的なスタイルが戻った。前へ前へ。サイドから、中央から、わき出るように選手が出てくる。7分、右CKをエドゥアルドが頭で合わせて勝ち越し。さらにFWエウベル、FW植中朝日のゴールで加点した。

 泥臭く、がむしゃらにプレーしてつかんだ5試合ぶりの勝利。主将のMF喜田は「自分たちを信じて、ピッチで示すしかなかった。一つ報われたのは良かったと思う」。暗闇を抜け、ようやく明るい光が差してきた。(岩佐友)

 キューウェル監督(マ) 「後半は前への動きが出て、試合を支配できた。すごく結果を求めていたので、うれしい」

 ポポビッチ監督(鹿) 「1―0で前半を終えなければいけなかった。タイトルを目指すチームにとって、あの時間の失点は不用意だった」

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