第106回全国高校野球選手権愛媛大会は、7月13日に開幕し、55校の48チームが出場する。一つの目的に向かって力を合わせる、個性豊かな選手らの姿を紹介する。

松山西・中平翔也選手

 松山市の愛媛県立松山西中等教育学校野球部の右翼手、中平翔也選手(5年=高校2年)は、「四死球は失点につながりやすい」とされる「定説」を、先輩たちの試合データを使って検証している。「自分たちのデータを使ってやることに価値がある。チームの勝率を上げることにつなげたい」

 プロ野球の中継を見たり、故・野村克也さんの著書を読んだりして、データ分析に興味を持った。今年3月、同校の3年前のスコアブックを借りて約100試合の分析に着手した。

 四死球を与えたイニングの失点数や被打率をまとめて、与えなかったイニングと比較。投手が四死球を与えると、守備のリズムが悪くなるのを、自分自身も野手で守っていて実感する。四死球を与えたイニングの失策数も整理して確かめる。

 分析はまだ序盤だが、定説は正しそうな手応えがある。成果はチームで共有し、中高生対象のスポーツデータ解析コンテストへ出品する予定だ。

 別のテーマもある。OPS(長打率+出塁率)や防御率など、打者や投手の評価指標だ。主にリーグ戦を戦うプロと、トーナメントを戦う高校球児とでは、評価の基準が違うのではないか。「一発勝負でいかに結果を残せるか。正しく評価する基準をつくりたい」

 迎える夏の大会。打線の中軸を担う見込みだ。「チャンスで1本を出して、勝利に貢献したい」(中川壮)

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