(15日、第106回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 四條畷11―1桜和=五回コールド)
桜和の4番、八田遥斗(はると)主将(3年)は、帽子のつばに書いた「可能性」という文字を見つめた。
一回2死二塁。いきなり迎えたチャンスの打席で、3球目を振り抜いた。「打ってから記憶が全然なかった」。無我夢中で三塁へ。先制の適時三塁打には、この2年半の思いもこもっていた。
桜和は2年前に開校。八田主将は1期生だ。野球部の同級生は藤井悠仁(ゆうと)投手1人だけ。マネジャーにノックをしてもらうなどして練習を続け、部員を勧誘し、今年の夏、選手13人で念願の単独出場を果たした。
得点は、初回のスコアボードに刻まれた「1」のみに終わった。でも、桜和にとっては大きな1だ。藤井投手も打たれながらも、最後まで1人で投げた。八田主将は「これが1期生の可能性。後輩はもっともっとできる」とエールを送った。(村井隼人)
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