7月も中旬を迎え、全国高等学校野球選手権大会の地方大会も佳境に。関西では、春のセンバツ大会に出場した京都国際(京都)と近江(滋賀)が登場し、初戦から大会注目の実力校と激突しました。
【京都国際 対 京都成章】
春の近畿大会を制した京都国際は、春・夏あわせて5回の甲子園出場を誇る京都成章と対戦しました。序盤は、京都国際・中崎琉生投手、京都成章・人見晟匠投手が好投。互角の展開となります。
先にチャンスをつかんだのは京都成章。4回裏、1アウト満塁と絶好の場面をつくります。スクイズも考えられる場面でしたが、この大会を最後に退任を表明していた松井常夫監督が選んだのは、選手に信頼を寄せる強硬策。しかし、中崎投手の力投の前に、期待の6番・西山仁選手は三振。続く高野真選手も打ち取られ、絶好のチャンスを逃がします。
一方、直後の5回表、京都国際は確実にチャンスをものにします。先頭の8番・清水詩太選手がこの試合初の長打となる二塁打で出塁。その後、1アウト3塁とチャンスを広げ、1番・沢田遥斗選手がレフトへタイムリーヒット。狙いどおりに1点を先制します。
5回途中から小刻みな継投で京都国際の攻撃を抑えていた京都成章でしたが、7回に手痛いミスが出ます。ノーアウト1塁から京都国際・沢田選手が1塁線へ絶妙なバント。体勢を崩した寺田颯汰投手が1塁へ悪送球し、1・3塁とピンチを広げてしまいます。ここで京都国際は、2番・三谷誠弥選手がしぶとくショートゴロを放ち、3塁ランナーがホームイン。貴重な2点目を奪いました。
京都国際・中崎投手は4回のピンチをしのぐと、その後は安定感抜群のピッチング。バックの好守にも助けられ、6回以降はスコアリングポジションに1人もランナーを許しませんでした。9回にも1点を加えた京都国際。難敵の京都成章を3対0で下し、3回戦進出です。
【近江 対 彦根東】
滋賀大会では、2回戦に近江が登場。滋賀の高校野球をリードしてきた名門・彦根東と対決しました。センバツ大会に出場し、この大会も(コロナ禍の影響で中止となった102回大会をはさんで)5連覇中の近江。序盤は彦根東を圧倒します。
初回に2点を先制すると、2対2の同点に追いつかれた3回に打線が爆発。4番・市原悠希選手の2ランホームランなどで5点を追加します。4回にも連続タイムリーなどで3点を追加し、10対2と大きくリードを奪います。
しかし、一方的な展開になるかと思われた5回表、彦根東が名門校の意地を見せ、球場の空気を一変させます。近江の先発・河越大輝投手を攻め、2アウト1塁から、3番・近藤海選手、4番・田村響選手の連続ヒットで満塁のチャンスをつくると、必死の声援を送る応援団を背に、5番・松居慶真選手、6番・花田英心選手、7番・新晃成選手が3連続タイムリーヒット。驚異の5連打で4点を返し、10対6と追い上げます。
彦根東は3回途中、サードの新晃成選手がマウンドにあがり奮起。5回以降は粘り強いピッチングで、近江に追加点を許しません。
それでも近江は慌てませんでした。5回途中から登板した2人目・堀一輝投手が好投。バックも攻守で盛り立て、彦根東の反撃を断ち切りました。9回も3人目・北川凌佑投手がしっかりと締めくくった近江。総合力の高さを見せて3回戦進出です。
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