(17日、第106回全国高校野球選手権福岡大会5回戦 福岡工大城東2―3近大福岡)

 気持ちで投げる右腕の大堂(おおどう)響投手(3年)と、慎重に打ち取る左腕の森太希投手(3年)。福岡工大城東の「二枚看板」が持ち味を発揮した。

 先発した大堂投手は力のある速球で七回まで1失点、7奪三振と好投。だが2―1で迎えた八回裏のマウンド。二塁打と自らの失策で同点とされ、なお2死二塁。盛り上がる相手の勢いに「のまれた」。甘く入った球を痛打され、1点リードされた。そこで継投したのが、森投手。「任せろ」と大堂投手に声をかけると、続く打者を三ゴロに仕留めた。

 2人はマウンドを争うライバルで、厳しい練習をともに乗り越えた仲間。2死満塁の場面を想定し、切り抜ける練習も何度も重ねてきた。3回戦のシード大牟田戦では、森投手が走者を背負った場面で大堂投手が登板。ピンチをしのぎ、優勝候補を破った。

 この日も2人の好投でシード近大福岡を追い詰めた。目標の甲子園には届かなかったが、大堂投手は笑顔で言った。「森と一緒だから、ここまでやれた。後悔はありません」(山本達洋)

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