(18日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会5回戦 横浜隼人6―4相洋)

 2点を追う四回裏1死一塁。相洋の四番中島拓人(2年)は右前打でチャンスをつくると、塁上で手をたたいた。「後ろには兄もいたので、頼むぞと」。五番関本の適時打で1点を返すと、兄の六番中島翔人(3年)が中前打で続く。兄弟の2本を含む4安打で、この回同点に追いついた。

 2人が野球を始めたのは12年前。翔人が相洋に入学すると、「一緒に野球するため」に拓人も兄の背中を追い、2人でレギュラーをつかんだ。

 翔人は、先発投手としても5回2失点と試合をつくった。投打で活躍した兄について、拓人は「今日にかける気持ちがすごかった」と振り返る。

 チームは一時勝ち越したが、九回表2死からまさかの逆転負け。試合後の翔人の目からは大粒の涙がこぼれた。「九回2死までなにがあるかわからない。今日の試合を教訓に頑張ってほしい」。悔しい敗戦からの飛躍を、弟に託した。(中嶋周平)

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