(19日、第106回全国高校野球選手権山形大会3回戦、新庄神室産1―11山形学院、五回コールド)
子どものころ、甲子園の高校野球の試合をテレビで夢中で見た。中学の吹奏楽部では、野球の応援が楽しみだった。
「野球って楽しいな」。新庄神室産の加藤恵選手(3年)は高校から野球部に入った。
1年の夏、思いがけないことが起きる。練習中に送球が頭に当たり骨折。約3カ月間、野球ができなくなった。「置いてけぼり」。そんな感覚を味わった。3年の春には右肩を亜脱臼した。
最後の夏。初戦を突破し、迎えた山形学院戦。昨夏の1回戦で敗れた相手、雨で1日順延後という状況も同じだ。
五回、代打に指名された。バットの先端でホームベースに触れ、投手に向けて気合の声を出す。「絶対打つ」。強い気持ちでフルスイングできた。結果は遊ゴロ。この回で試合は終わった。
「チームのムードメーカーになり、しっかり自分の役割を確立した」。松田伊織主将(3年)の信頼は厚かった。
「野球をやってよかった。人としても成長させてもらった」と加藤選手。けがに悩まされたが、いまも野球が大好きだ。
「もっともっと野球をやりたい。草野球とか、いろんな野球チームでやっていきたい」(坂田達郎)
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