(20日、第106回全国高校野球選手権東東京大会5回戦 東亜学園1―0東海大高輪台)
完封ペースできていた九回、最初の打者に安打を許すと東亜学園の先発・榎本慎太(3年)は交代を告げられた。「勝つことが優先なので。最後まで投げきりたかったけど……」とはにかんだ。
けがに苦しんだ2年半だった。1年の秋にベンチ入りしたが、腰をけがした。2年の春には右の肩とひじを疲労骨折し、秋は左肩を脱臼した。
万全の状態で投げられるようになったのは今春。最後の夏、背番号「17」をもらった。「悔しいけど、番号は関係ない。みんなで勝てる投手陣を作っていこう、と決めたから」
20日の東海大高輪台戦で、今大会初先発した。一番仲が良いエースの深野汰生(3年)からは「投手は後ろにいっぱいいるから、安心して投げろ」と励まされた。
テンポ良く前半は直球で押し、後半はカットボールを交えた。被安打3、5奪三振。チームを8強に導いた立役者は「与えられたところで、『0』に抑えることだけを考えたい」と誓った。=神宮(野田枝里子)
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